ジブリ鈴木敏夫P、分析力が逞しすぎる!【あの名作】生まれた背景をズバリ「流行りの承認欲求とはまるで逆」

投稿日:2023/04/10 14:33 更新日:

4月9日、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんがパーソナリティを務めるラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」(TOKYOFM)では、ドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)についてトーク。鈴木さんの鋭い分析に、注目が集まっています。

鈴木敏夫

(画像:時事)

■ジブリ鈴木敏夫P、分析力が逞しすぎる!【あの名作】生まれた背景をズバリ「流行りの承認欲求とはまるで逆」

山田太一さんが原作・脚本を担当し、1983年から放送され、人気を博したドラマ『ふぞろいの林檎たち』。

架空の大学を舞台に、学歴のせいで就職や恋愛で理不尽な目に遭いながらも、懸命に乗り越えようとする若者たちの姿を描き、話題となりました。

鈴木さんはこのドラマについて、「自分に対する他者の評価」を軸に描かれていると言います。

そして、「それに惑わされずに人間が生きていく誇りと喜びはあるのに、つい、他者の評価ばかりを気にする。それで言うとね、今流行りの承認欲求とはまるで逆。そういう価値観を山田太一っていうのはね、提供(した)」と、山田さんがドラマを通して描きたかったことを分析。

「これはすごいと思った」という鈴木さんは、山田太一さんの経歴について調べたそう。

山田さんが映像制作会社の松竹で7年間助監督をしていたことがわかると、山田自身が辛い体験をしていたのではないかと思いを馳せます。

そして、「山田太一の体験をそのまま、その時に感じた辛いことをドラマにした」のが『ふぞろいの林檎たち』であると結論付けます。

■名脚本家・山田太一にも劣等感はあった?「それは辛いですよねぇ」

また、鈴木さんは山田さんが劇作家の寺山修司さんと早稲田大学で同期だったことに着目。

松竹時代には、寺山さん脚本の映画の助監督を山田さんが務めたこともありました。

鈴木さんは「助監督としてスタッフルームに行ったら、同級生の寺山修司が作家然としてそこにいたわけでしょ?それは辛いですよねぇ」と、同級生だった寺山さんとの格差を肌身に感じたことも、山田さんのその後のドラマ作りに影響していると分析します。

■鈴木Pの鋭いドラマ分析にリスナー「ストーリー全て見終えた充実感」

他にも、出演者や脚本の内容から『ふぞろいの林檎たち』を深掘りしていった鈴木さん。

山田太一作品では弱い立場の市井の人びとが描かれており、それは「上手くいっちゃった人ってそうならないじゃないですか」と、山田さん自身の体験に基づいていると結論付けました。

今週の放送に対し、ネット上では「観ていたな~ふぞろいの林檎たち」「1983年人気ドラマ深掘り(ホンモノの劣等感→克服出来ない・元々お芝居希望・切実・作家自身の辛さ・体験を原作・市井の人etc)のお話に和みました」「鈴木敏夫氏が語るドラマの見所と山田太一氏の裏話をSAS桑田佳祐氏の名曲の数々と共に ストーリー全て見終えた充実感さえも」との感想が上がっています。
鈴木さんのドラマ分析には説得力がありましたね。

『ふぞろいの林檎たち』を観てみたくなったリスナーも多いのではないでしょうか。

【番組情報】
鈴木敏夫のジブリ汗まみれ
http://radiko.jp/share/?sid=FMT&t=20230409230000

(文:二木もなか/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)

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