毎週日曜放送のラジオ番組「木村拓哉 Flow supported by GYAO!」(Tokyo Fmほか)。
2月19日の放送では、ゲストにSUPER BEAVER・渋谷龍太さんが登場し、バンドが迎えた暗黒期と転機について赤裸々に語ったことが話題となっています。
(画像:時事通信フォト)
■華々しいデビューから一転、SUPER BEAVER渋谷龍太が“暗黒期”を明かす「船自体をぶっ壊そうとしました」
引き続き、マンスリーゲストにロックバンド #SUPERBEAVER より #渋谷龍太 さんをお迎えしています✨
バンドとしての軌跡をじっくりお伺いしています。最後までお聴き逃しなく🔥https://t.co/1CCEGYTUMD#フロウさん @gyakutarou
— 【公式】木村拓哉 Flow / 木村さ〜〜ん! (@flowsaaaan) February 19, 2023
番組は、SUPER BEAVER結成から4年後、2009年6月にシングル『深呼吸』でメジャーデビューを飾った話題からスタート。
この楽曲とカップリング曲『道標』は、アニメ『NARUTO』のエンディング&オープニング曲に採用。
史上初の同時タイアップとして抜擢されましたが、渋谷さんは「根拠のない自信と勢いと、全部自分の中でリアリティがなかったので、いかに凄いことなのかとかが全くこの当時わかってなかったです」と本音を明かしており、「できちゃうじゃん。全然何もしてないけど『こんなことできちゃう』っていう状況でしたね」と当時を振り返ります。
しかし、ここからSUPER BEAVERを担当していたディレクターの対応が徐々に変わっていくようになり、渋谷さん曰く「その人の言う通りにしなきゃいけない状況に、知らず知らずのうちに持っていかれていた」とのこと。
「僕ら自身にも芯がなかったりだとか、こんな風にして音楽をやっていきたいという志がなかったんで」と話しますが、最初は「こんな風にしたら?」というアドバイスが、気が付いたら「こうしろよ」に変わっていってしまったそう。
「首を縦に振ることが自分たちの音楽っていう風に、言い方悪いですけど、ほぼ洗脳みたいにされちゃって」と明かした渋谷さんは、徐々に自分たちの『音楽』ができなくなってしまい、ある日のレコーディング中に突然倒れてしまいます。
これが結果的にメジャーからインディーズへの変更のきっかけとなりますが、「SUPER BEAVERという船に乗り続けるのであれば、進む海を変えようみたいな感じだったのかな?」という木村さんからの質問に対し、「船自体をぶっ壊そうとしました」と明かした渋谷さん。
胃に穴が開いて入院した渋谷さんは、駆けつけた母からの「大丈夫?」という言葉に何かが決壊し、退院したその足で「音楽を辞める」ということを事務所に伝えに行ったんだそう。
「逃げたくて仕方がなかった」という渋谷さんは、各関係者への挨拶に付いてきてくれたマネージャーにメンバーとの話し合いの場を設けてもらい、当初は解散の方向で話が進みましたが、「本当に4人の意思なの? 本当に4人の意思で辞めたいと思うならいいけど、4人でまだ何もしてないんじゃないの? そっからでも遅くないよ、まだ」と声を掛けてもらったことがきっかけで、本音をぶつけあってインディーズへの転向を決意しました。
■SUPER BEAVER渋谷龍太のドラマを“乳歯”に例え「凄いなあ」
こうしてインディーズで再始動することになったSUPER BEAVER。
「根本的に何かを変えたいな」と思っていた渋谷さんは、メジャーを辞めたタイミングで1人暮らしを始め、アルバイトをしながら音楽を続けていくことになりますが、「『お金もないし、時間もどんどんなくなるし、めっちゃ大変』って思っていた気持ちが0.1%。あとの99.9%は『自分たちで音楽をこれからやれる』ってワクワクが勝っちゃったんですよ」と明かします。
「4人だけで音楽を作るということに対する喜びをそこで初めて知って。『俺たちが良いと思ったものが正解だよね』って超当たり前のことにここで気付かされて」と話す渋谷さんに対して、「遠回りしたなあ〜。すげえ遠回りしたね」と感慨深げに反応する木村さん。
新たな一歩を踏み出したSUPER BEAVERは借金をしてバンド用の車を購入し、今まで訪れたライブハウスに「俺らだけでもう1回やり始めます」と直接挨拶しに行くことに。
1年かけて可愛がってくれるライブハウスも増えていき、紆余曲折を経て大きなっていったSUPER BEAVER。
渋谷さんは「働いて、稼いで、その金でツアーを回ってっていうのをやってたその時期が本当に楽しくて。こうやって人と繋がれたりとか、音楽をやったりとか、聴いてもらうことに対して、『音楽ってこういう意味もあるんだな』って思った時に、初めて音楽やりたいってこの時思うんですよね」と当時の心境を明かします。
この渋谷さんのストーリーを聞いた木村さんは「新しいビーバーの歯に生え変わったんだね。ある意味、そこまでが乳歯だったのかもしれないね。ムニョムニョの。完全にそこで永久歯が生えたんだろうね」と反応。
渋谷さんは「人生で初めて目標ができる、やりたいことができたのがこのタイミングです、僕は」と話しました。
■木村拓哉「え、sonyから出てsonyに戻ったの?」
その後のSUPER BEAVERは大型の夏フェスや日本武道館での単独公演でチケットが即日完売となる人気グループにまで成長を遂げ、国立代々木第一体育館でのライブも成功させます。
華々しい活躍を見せたSUPER BEAVERは2020年4月にメジャーと再契約を結びますが、所属先となったのはかつて辛い思いも味わったSony Music Labelsでした。
木村さんが「え、Sonyから出てSonyに戻ったの?」と疑問をぶつけると、渋谷さんは「僕らがもう1回メジャーに戻るんなら、ここでドラマを1個作らないと成立しないと思って。他に声を掛けていただいていたところに行くっていうのも1個の選択肢としてあったんですけど、『戻ってきてくれ』ってSonyに言われた結果戻るみたいな」とその理由を説明。
「本当に性格悪いですけど、向こうから『帰ってきてください』って言われて、『いいよ』って言いたかったんです」と心の声を明かした渋谷さん。
実際、SUPER BEAVERは3年間Sonyからのオファーを受けても首を横に振っていましたが、「僕らがメジャーから落っこちる最後の時に、1枚だけアルバムを作らせていただいたんですよ。『好きにやっていいよ』って言われて。その時の1枚を担当してくださってた方が、2020年に再メジャーデビューする時に僕らに声を掛けてくれた人なんですよ。僕らその人にめちゃくちゃ恩義があるし、その人のことなら信用できるっていう風に思っていたから。その人が声を掛けて『戻ってきて』って言うんだったら『戻ろうぜ』っていうのはメンバー間の中であったんで。戻ることに決めました」と明かした渋谷さん。
紆余曲折のあったSUPER BEAVERのストーリーを聴いた木村さんは「なんかあれだよね。SUPER BEAVERが、バンド側からしたら、こんなにすげえ凱旋門ねえよなっていう。ここから出されたけど、この凱旋門をもう1回。あの時はドロドロのTシャツ着てたけど、そこの凱旋門に帰ってくる時に『うちら結構、底力という筋肉付いてるな』っていう状況の凱旋門潜ってるよね。凄いなあ」と話しました。
ネット上では、「SUPER BEAVERの今が幸せそうでほんと良かったと思える内容だった」という声や、「なんかビーバーの歴史ってほんとに映画になるよな、、」という意見が続出した他、「乳歯って、さすが例えが素晴らしい!木村さん!」という声も見られました。
過酷だったデビュー直後、インディーズでの再始動、そしてメジャーとの再契約という流れの中に、SUPER BEAVERの壮絶すぎる光と影感じられ、思わず聴き入ってしまいましたね。
木村さんのらしさ溢れる例えも、再び音楽をする喜びを取り戻した渋谷さんとバンドメンバーにピッタリの表現だったように感じましたね。
【番組情報】
木村拓哉 Flow supported by GYAO!
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(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)