毎週金曜日に放送しているラジオ番組「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」(TBSラジオ)。9月2日の放送では、"夏フェス"の主催者2名の愚痴が話題となっています。
■夏フェス コロナ禍で「犯人」扱い加速なぜ?
このあと、21時からは
🎸音楽フェス主催者の愚痴🥁コロナの影響をかなり受けた業界ですが、深ーい愚痴がたくさん聞けました。。
放送はこちらから▼https://t.co/Xvp3YZtEzT#tbsradio #guchi954 #宮藤官九郎
— 宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど (@guchi954905) September 2, 2022
夏の風物詩となっている音楽フェスティバル。
そんな夏フェスを運営する側を2人が番組に登場し、宮藤官九郎さんに愚痴を伝えることとなります。
野外で開催される音楽フェスティバルは、数年前から流行している新型コロナウイルス感染症の影響で、大きなダメージを受けました。
宮藤さんが、「コロナになった途端に、急にフェスって風当たりが強くなりましたよね」と話すと、主催者は「犯人みたいな」と同調します。
スタジオに来ていた主催者の1人は、新型コロナウイルスが流行してから、天災以外の影響で初めて「中止」の決断を下したそう。
その中でも大変だったのが、新型コロナウイルス対策を徹底した上で開催しなければならないため、会場のレイアウト刷新とそれに伴うコストの増加だと話します。
一昨年、昨年は中止しましたが、今年は開催することができたそう。
過去2回は、柵の設置やソーシャルディスタンスの確保など、コロナ禍前には考えてもいなかった運営形式が必要となり、「それが助成金をおろすためのルール、お約束だったりして」と語りました。
今までの観客が求めていた「楽しさ」を提供できないことについて、運営する側にとっての歯痒さを明かしました。
■「1度も支援金はでなかった」主催者のリアル
もう片方の主催者も、助成金の問題に言及。
「うちはおりたんですけど、2020年のは(貰うまで)1年半かかったっすね。申請して『(助成金を)出します』って言われてから、『これがダメ』『これ直してください』って言われて。1年半っすよ? 1ヶ月くらいって書いてあるのに」と、不満を漏らします。
一方、先に話した主催者の方には、助成金が1円も出なかったそう。
「僕も、そもそもこの助成金に思うのが、中止になって、これは出る。中止とか延期になったことへの補助的な意味もあるのかなと思って、支援金を申請したんですけど」と切り出します。
続けて、「これすごいこれ、難しい話になんですけど。緊急事態宣言っていうのは国の要請でやられているもので、この支援金自体が国の経産省から出ているもので。僕らは自治体とイベントを作っているので、緊急事態宣言が東京で出ていても、ここ(開催地)は別にイベントをやっちゃいけないってルールはないんですよ。ただ、都市部からお客さんが流れてくるので、村の役場の方とかは『来てほしくない』っていう気持ちが出てくる。村の人の健康とかを考えて」と話した主催者。
「それが中止で、僕らも村民感情とかも含めて、『今回はできません』って言った時に、国側はそこは補償してくれないんですよ。『ウチはここでやるなとは言ってないので』ってことで。3回とも採択されて、1度も支援金はでなかった」と、明かしました。
■音楽フェスが炎上しやすい理由は目立つから?これからのフェスの“在り方”に宮藤官九郎も同意「どういう風にバランスを取るか」
宮藤さんがお客さんの動員数について話題を移すと、「かなりキツイですよね」と回答。
2人とも、コロナ禍になってから最低動員数となってしまったそうです。
片方の主催者は、「2020年はどこもイベントをやっていなかったので。1日1000人限定でやったんですよ。普段5000人なんですけど、気を遣って。半分まで入れていいって書いてあったんですけど。一応全部完売して。めちゃくちゃ盛り上がって、おかげで炎上もして」と、切り出します。
「その時のね、うちの行政のトップの方とかも見に来てくれて。『こんなダメって言われてる時代にたくましいね』って横で言ってて。『けしからん!』とか『今すぐ中止だ!』とか言う行政も結構いることを聞いていたので、うちの行政は良い行政だなあとすごい思いますけど」と、信頼感が生まれたことを明かしました。
「とにかく、テレビもラジオも新聞も使って告知しないと人を集められないから、目立つんですよね。目立つのが仕事なんで」と、音楽フェスの特徴についても触れます。
コロナ禍の中での今後の生き方としては、「平和に解決するってが大事ですよね。戦わないで。やっぱり、お客さんが育つべきだとは思います。お客さんが、ちゃんと自分で考え、ガイドラインとかも学んで、自分たちでうまく楽しむっていうのを。お客さんが育つ以外は方法ないと思いますね。その人たちが逞しくなるしかないと僕は思います」と主張。
もう一方の主催者は、「みんなで1つづつ歴史を作っていかないと、解決できない部分はあると思います。なので、お客さんも成長して、僕らも成長してってのが理想的かなと思います」と話しました。
宮藤さんは、「日本人ってどうしても極端だから、ダメならダメ、全部ダメ。完全にできる状態になるまでやっちゃダメみたいな風に考えがちですけど。(この社会情勢が)ここ3年続いちゃって、そうそう(感染者数が)0にはならないんだったら、楽しまなきゃいけない時は楽しまなきゃいけない。どういう風にバランスを取るかですね」と話していました。
ネット上では、「キャンプと同じでイメージが良し悪しあるよね」といった意見や、「お客さんが育つ、そうそう」「エンタメ業界みんな大変。あたしはとても助けられてるんだけどな。難しいね」など、それぞれの視点でこの問題についてコメントしている方が多く見られました。
運営側のリアルが伝わってきたとともに、アーティスト・スタッフに大きく支えられたことも明かされました。
音楽フェスに活気が戻る日を祈る人も多いのではないでしょうか。
【番組情報】
宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど
https://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20220902210000
(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)