毎週金曜日に放送されているラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!教育委員会」(Tokyo FM)。毎月第4金曜日は矢沢永吉さんが登場する「YAZAWA LOCKS!」の放送日。5月29日の放送では、矢沢さんのモチベーション維持方法に注目が集まりました。
(画像:時事)
■矢沢、音楽をやりたくない時期があった!? 「本当に嫌な時ありましたよ」
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— 矢沢永吉 公式アカウント (@official_YAZAWA) May 27, 2022
話題は、72歳となった今も現役でステージに立ち続ける矢沢さんの、モチベーション管理方法へ。
「まあでも、それはもう、55過ぎて57、60になるこの頃ってのは、人間は男女問わず、『これから俺どうなるんだろう』とか、『どうすればいいんだろう』とか、『どういう風に歳を取っていけばいいんだろうか』とか。誰もが1度、そういうことは思いますよね。ちょうどそのくらいの歳はね」と切り出します。
そして、「僕の場合は、幸いなのか、こうやって50周年迎えるくらい、ずーっとステージやってきたから」と前置きし、「そらね、ずっとステージやってくると、本当に嫌な時ありましたよ。『もう俺ライブしたくない』とか、音楽自体をもうしたくないとか」と続け、「音楽をやりたくない」と感じる時期があることを明かしました。
さらに、「やっぱり人間だからありますよ。『何で同じことばっかり俺はやってんだ』と。いつも明けても暮れても街から街へライブ、レコード作るとか。インタビューを受けるとか。いや、そうじゃなく、『もっとこういうものではなくて、俺をわくわくさせるものが、俺にはないのかな』と思ったりもしました。40歳ぐらいの時ね」と、話しています。
■ツーリング、クルーザー、旅行など趣味に没頭する充実した日々の中で、矢沢永吉が感じた違和感とは?
実際、音楽活動から離れたことがあった矢沢さん。
「それで、1年間丸々『ツアーをやらない、音楽活動をしない』っていう1年つくったことありました、実際。さて何する? ツーリング行ったり、クルーザーに凝ったり、それでもう、仲間だけで北海道行ったり九州行ったり、色んなことしましたよ。楽しかった。素晴らしかった。夕日も綺麗。全部いい」と、充実した日々を過ごしたそう。
しかし、「全部いいけど、『いい、いい、いい。だからどうした?』ってとこに、最終的には、やっぱいっちゃうんだよね。『だからどうした?って』」と、感じるんだとか。
最終的には、「で、『ああ、俺にはやっぱりライブが大事なんだよ』ってところに、もう一回確認できたよね。確認できて、また1年そうやってやった分、もうあの白いマイクスタンドが恋しくてしょうがない、みたいなね」と、音楽の重要性を再認識したとのことでした。
■矢沢が語る"ミュージシャンの性"「ああ、俺にはステージがある。これはやめるわけにはいかんな」
とはいえ、全国各地を飛び回るツアーの際には、マイクスタンドを見ることすら嫌になってしまうこともしばしばあるそう。
「毎回ツアーの時ね、僕はよく言うんですけど。ツアーを街から街へ、後半の、地方からずーっとまわって、大阪行って名古屋行って、最後は東京に戻ってきますよね。東京に戻る時はね、もうこのマイクスタンド見たくもないのよ」と、告白しました。
「これはもうやってる本人にしかわからないことで。『マイクスタンドはもういいから! お前とはおさらばしたいよ』みたいな感じ」と、その感覚を明かします。
「で、最終ステージ、武道館。もう1曲終わるごとに、そのシーズンが終わりますからね。終わって、終わって、ダブルアンコールの最後の曲、『お前とはしばらく会わなくて済む』。そんな感じで最後ファイナル終わるんですよ。『そのくらいやった』ってことですよ。それで、不思議なのがね、ツアー終わって2〜3ヶ月経つと、『あの白いマイクスタンド、元気かな』みたいなね。それは過去何度もありますから」と、ツアー中は嫌で嫌で仕方がないマイクスタンドも、ツアーが終われば恋しく感じてしまうのがミュージシャンの性だと話しました。
「さっきの話からちょっと逸れましたけど、そんな感じで『ああ、俺にはステージがある。これはやめるわけにはいかんな』と。多分ストーンズのミック・ジャガーも、その感覚があるから、今77か78でしょ?(まだ)やってるんじゃないんですか?」と、海外の超有名ミュージシャンを例え出しながら、その感覚を伝えました。
ネット上では、「一旦距離を置くのも大事。ただそうするとやっぱり原点に戻るんですね…」「嫌になるほど愛してるんだなぁ」といった矢沢さんのエピソードに対する感想、「やっぱ永ちゃんエエなぁ!!!」といった矢沢さんのファンからのコメントが多く見られました。
矢沢さんの言葉は1つ1つに重みがありますね。
「嫌になるんだけれども、やっぱり好き」のような感覚は、何かに没頭し続けた人だからこそ得られる感覚なのかもしれません。
【番組情報】
SCHOOL OF LOCK!教育委員会
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(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)