12月24日に、ピース・又吉直樹さんが、自身のYouTubeチャンネル「ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル」で動画を公開しました。今回は、EXIT・兼近大樹さんの文章を誰が書いたかわからない状態で又吉さんが読み深めていき、その解釈がネットで話題となりました。
(画像:時事)
■「これぞインスタントフィクション」又吉、作者不明の文章を絶賛
今回は、自由な発想と気軽なノリで書かれた、400字以内の文章・インスタントフィクションを又吉さんが独自の解釈で読み解いていく企画を行いました。
今回公開された文章は、『あぁ無人矛盾無情』という作品。
これは、ダイエットに励む女性が電動自転車に乗ったり、大阪人が方言をいじったり、占い師が骨折したりなど、クスリと笑える世の中の矛盾を記したもの。
そんな人間たちを毛嫌いしながらも、同じような人たちを探し、愛を持って眺めてしまっているという作者の心情を著した文章となっていました。
作者のわからないこの文章を読んだ又吉さんは、「これぞインスタントフィクション」「面白いですね」と初見の感想を述べ、文章そのもので笑えたり「あぁ、なるほどな」と思える、パンチラインを感じると語っていました。
さらに、作中に出てくる矛盾した行動をとっている人々について丁寧読み解いていき、サルゴリラ・児玉智洋さんの「全員可愛らしい。この人物」という感想に同意していました。
■又吉「若い頃の私と比べたら…」兼近の"愛"あるインスタントフィクションを絶賛!
また、「ただ意地悪でこういう状況を上げていってるんじゃない」と、作者の思いを読み解いていく又吉さん。
最後の2行で、作者がこのような矛盾している人物たちをイジりつつも、その人たちを愛ある視線で眺めてしまっているとあげていることから、作者自身にも自分の矛盾を認識している人間愛を感じると解いていきました。
さらに又吉さんは、「自分で言うともっと意地悪だったんですね、私が若い頃は。私はこの書き手のように優しくなかったですね」と語ります。
というのも又吉さん、自身が若い頃、渋谷や新宿などで酔い潰れている若者のそばを歩きながら「親からもらった仕送りをゲロに変えてる奴ら」と思っていたと言うのです。
これには児玉さんも大笑い。
又吉さんは、自分の思いには愛がなかったのだと明かしますが、それと同時に憧れの眼差しもあったのだと言います。
自身の生活と若者たちの生活を比べた時に、「自分は1人で歩いてる。お金がないからお酒も飲めない。ご飯も食べられない」と、惨めさを感じた又吉さん。
「羨ましいし、『しょうもないことをしてる奴らなんだ』って思わないと打ちのめされて、なんで自分だけこんな思いをして歩かなければいけないんだ」と、どんどん沈んだ気持ちになっていき、そんな自分を守るためにそのような捻くれた考えを持っていたのだと語りました。
そのため、「そんな私と比べたら、若い頃の私と比べたら、すごくね、愛情がある書き方をしてるんですよね」と、作者に対する思いも明かしていました。
■又吉の解釈、兼近の文章に視聴者感心の声
動画の後半では、作者が兼近さんであると明かされてからの又吉さんのリアクションや、その時の思いを語るシーンもありました。
ネット上では、「又吉さんもかねちも大好きなので、あったかい気持ちになります。優しさのある視点に、矛盾した私も救われます」「見苦しい無言の『言い訳』を、それぞれの『違うんだちょっと待ってくれ〜』として愛おしく思えてしまえる人なんですねぇ作者の方は」「この企画で文章の背景を考えるようになりました」という視聴者からのコメントが並んでいました。
又吉さんの解釈によって、視聴者も様々な視点から兼近さんの文章を読み解くことができたようですね。
ここまで深く掘り下げて文章の背景を読み取ることができるのは、さすが又吉さんでしたね。
【番組情報】
ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル
https://youtu.be/mxl2JGxxy08
(文:椎七みつばち/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)