2019年春、イタリア・ボローニャで開催された児童書の見本市「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」。おしりたんていのプロデューサー・高林氏がそこで発掘したのが、フランスの出版社が手掛けたストーリーのある絵本。現代の忙しい親子の日常を、優しいイラストを添えて表現。日本の絵本では、敬遠されがちな「シングルマザー」 「ワンオペ育児」のテーマも、子どもにも分かりやすく伝えてくれる1冊です。
イタリア・ボローニャでは、世界80か国、1500もの出版社が参加する、児童書の見本市「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」が毎年春に開催されています。2019年春、おしりたんていのプロデューサー高林氏が「子どもの心が動く絵本」を探しに、ボローニャの絵本原画展へ参加しました。その姿は、NHKの人気番組で密着され、大変な話題となりました。
そこで発掘したのが、フランスの出版社が手掛けたストーリーのある絵本。同じ1日を親子がどう過ごしているか?母と娘の2つの目線で描かれたイラストで展開していきます。左ページは母目線で右ページは娘目線で同じ時間をどう見ているか、お互いの気持ちを理解できる面白い試みとなっています。現代の忙しい親子の日常を、優しいイラストを添えて、表現し、日本の絵本では、敬遠されがちな「シングルマザー」 「ワンオペ育児」のテーマも、子どもにも分かりやすく伝えてくれます。
左ページは母目線 右ページは娘目線 2つの目線で描かれるストーリー
高林氏は『この絵本の印象的な場面の一つは、お互いが離れて過ごしている時に、何をしているのかを描いているシーンだと思います。普段でも、「家族が会社で何をしているのか」「お子さんが学校で何をしているのか」と、想いをはせることはよくあると思います。でも、この絵本のいいところは、お互いが何をしているのかだけでなく、互いが目の前にいない相手のことを思う姿が描かれていることだと思います。家族であっても、互いに相手のことを思いやり、一日を過ごす、そんな素敵な日常が、同じ場面を客観的な視点と子どもの視点でかき分けているところが、とても魅力的だと思いました。どんな時も、相手を想う想像力が世界を素敵に変えてくれると思わずにいられない、そんな一冊です。』と、この本の魅力を話します。
1日の終わりに、親子で「今日はお互い何を考えて過ごしていたか」話すきっかけを与えてくれる絵本が日本初上陸です!日本版の表紙は、画家のHifumiyoさんの描き下ろしです。
書誌情報
「いっしょにいてね」
作/ポリーヌ・ドゥラブロワ=アラール
絵/HifuMiyo
訳/山口羊子
ポプラ社刊 本体1400円+税
HifuMiyoさん プロフィール
広島県生まれ。京都市立芸術大学版画専攻でシルクスクリーンを学ぶ。2010年に渡米。自身のフランス生活をもとに、はじめてのイラストシリーズ≪France365≫を描き始める。明るい色彩とアナログなタッチで表現された作風は、フランス国内外で評価を受ける。2015年からパリのイラストエージェンシーAGENT002と2018年からロンドンのFlio Artとイラストレーション業務提携する。以後、ヨーロッパをはじめ北米諸国の雑誌書籍や広告などに寄稿し国境を越えて活動している。2019年に初めての絵本≪AVEC TOI≫をEditions Thierry Magnierよりフランスで出版。