7月6日放送の「SONGS」(NHK)にサカナクションが登場。ボーカル・山口一郎さんは番組責任者の大泉洋さんと対談、楽曲制作での葛藤を語り話題になりました。
新アルバムに山口一郎が込めた想いとは?
【来週の #SONGS は?】
嵐のSONGS、再放送は7月20日(土)
午前1時10分からです。
来週はサカナクション!
大泉洋が山口一郎の本音を暴きます!#大泉洋 #サカナクション #山口一郎https://t.co/w4dtm3nXN5— NHK SONGS (@nhk_songs) June 29, 2019
今年6月に6年ぶりとなるアルバム「834.194」をリリースしたサカナクションのボーカル・山口一郎さん。
このアルバムのタイトルになっている数字は、札幌と東京にあるそれぞれのスタジオを直線で結んだ距離(834.194km)を表しているとのこと。この数字に込めた意味について、山口さんは、地元北海道を離れて東京で活動するようになったことに触れ、「北海道での活動がないので忘れられていくし。かといって、東京をホームとは思えない。自分という存在がどこにあるんだろう」と悩みを告白。
また、山口さんは北海道時代に認めらなかったことを振り返り、その中で、フォークやダンスミュージックを巧みに融合したサウンドが生まれたいったことを明かします。
「作為性がなかった当時の自分に憧れが」
こうした音楽的な創作が「他とは違う違和感」として評価され、受け入れられて行くようになったよう。作為的に凝った手法で音楽を作り込んできたことで人気を獲得したサカナクション。
しかし、一方で、山口さんは表現者として「作為性がなかった当時の自分に憧れがあり、回帰したい願望がある」と、今の自分が失くしたピュアなものへの郷愁を語ります。
そうした山口さんの想いが込められた曲が今回のアルバムにも収録されている楽曲「グッドバイ」。この曲は山口さんが本当に作りたいと思って制作した楽曲のようです。
山口一郎に松任谷由実がかけた言葉とは?
サカナクションというと、こだわりのサウンドや映像などこだわり抜いたライブ演出が有名。
そのためライブは赤字で、「グッズ買って欲しい」と本音を吐露します。山口さんによると、グッズも有名デザイナーに協力を依頼するなどこだわっているそうで、そのこだわりが災いして歌詞が書けなかったことを山口さんは明かします。
そんな山口さんを救ってくれたのが、自宅に招待してくれた松任谷夫妻。「ポップスを作りたい」と心境を語ると、松任谷由実さんは「あんたポップス作ってるじゃない、5年後に評価されるのが本当のポップス」と励ましてくれたのだとか。
この言葉について、山口さんは続けて「遠くにあると人は興味を示さない。でも、横並びの物にはすぐに飽きちゃう。一歩先の5年後に評価されるものを作ったら本当のポップスターなのよ」とコメント。
この言葉に勇気をもらった山口さんは、誰もが理解できるものにこだわりすぎなくても、時とともに理解が広まっていけばいいと思い至ったのだとか。こうした心境の変化が、新アルバムに収録されている「忘れられないの」につながることになります。
松任谷由実の金言に反響
ネットでは、放送を見た人からは、「え、ちょっ、ユーミンが山口一郎に言った『5年後に評価されるのが本当のポップスなのよ』って名言すぎません???かっこよ」「ポップスの女王、ユーミンだから言える言葉ですよね。山口一郎さんとユーミンが繋がってるのもすごいことですよね」「サカナクションの山口さんがポップスを作りたいと悩んでるときにかけられたユーミンの言葉がスゴい」などの声があがっていました。
松任谷さんの言葉も素晴らしいのですが、やはり、無作為に憧れると語ると葛藤を語る山口さんの姿も印象的だったのではないでしょうか。トップクリエイターでも、原点回帰のように今の自分にないものに憧れるという話が聞けた、貴重な放送となりました。(文:かんだがわのぞみ)