11月16日放送の「SONGS」(NHK総合)に小沢健二さんが出演。小沢さん自らが、放送にあわせてSNSに今の思いを発信する斬新な企画が話題を集めました。
(画像:時事)
小沢健二が「SONGS」に再登場
【#オザケンワールド全開】
◆今の率直な思いを
◆Twitterで発信
◆しかもなぜか焼き鳥屋で
◆え? #飯テロ ?
◆今あなたの頭の中にある「?」は
◆今夜23時から番組を見れば解決!https://t.co/UbuMgujSZS #SONGS #小沢健二 #ozkn— NHK SONGS (@nhk_songs) November 16, 2019
11月13日に約13年ぶりとなるオリジナルアルバム「So kakkoii 宇宙」を発売した小沢健二さんが出演した16日放送の「SONGS」。小沢さんは新アルバムから「彗星」と「薫る(労働と学業)」の2曲と、1995年リリースの名曲「強い気持ち・強い愛」の合計3曲を披露しました。
番組では、放送に合わせて焼き鳥屋さんから小沢さんが率直な思いを140字に込めてつぶやくユニークな企画も実施されました。
千鳥は、簡略化された鳥の模様。布や食器の「和」の柄は、図形と線が並ぶ、抽象画のよう。西洋の食器の写実的な絵に比べ、日本の昔のデザイナーたちは、禅僧のように深く考えて、自然や動物の本質をとらえ、最小限まで絵を簡略化した。そのままを描くのではなく、深く考えて、そぎ落とす、日本っぽさ。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) November 16, 2019
一時期、日本での音楽活動を休止し、ニューヨークに拠点を移していた小沢さん。その後、長い海外生活を経てから改めて日本に住んでみたときに日本独自の文化や風習に新たな発見があったとのこと。
そのことを踏まえ「前回(2017年)はアメリカに住みながらこっちへ来て見ていたんですけど、その後、日本に長く住むようになって、それで見るとさらに色々面白くて。そういうことが音楽にも今、ツイートしたり、インスタグラムする時にも入ってきてると思ってます。だったら、『SONGS』の中でツイートして、ここで(投稿ボタンを)押すとそれが見ている人の元に届くのが良い」と今回の企画の意図を説明。
"失敗図鑑"という、歴史上の失敗を集めた本がある。日本人が書いた、とても日本っぽい本と思う。米国では、"私はこうして成功した"的な「成功の本」が売れる。しかし日本の僕らは、失敗に惹かれる。成功した源頼朝よりも、失敗した牛若丸、義経が好き。失敗した織田信長も、失敗した新選組も、大好き。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) November 16, 2019
放送中に、小沢さんは海外に住んで見て感じた日本文化のユニークなところや、米国式のグローバル社会疑問など、率直な思いを番組の進行に合わせてツイートしていきます。
特に印象的だったのが、小沢さんの子供も好きだという「失敗図鑑」という本を出して「失敗」について語るシーン。
アメリカでは「成功の本」が売れるのに、日本ではこうした正反対の本が発売される価値観の違いについて触れた上で、小沢さんは「成功は幼稚、失敗は成人。失敗は、真実の美」と自身の思いを吐露。
また、番組内でアコースティックギターで自身の楽曲「失敗がいっぱい」を弾き語りで披露するなど、小沢さんのこれは伝えたいというメッセージが強く出ているシーンでした。
失敗はおもしろい。失敗はあるある。子どもの生活は失敗だらけ。そして僕ら大人も、ひそかな失敗がいっぱい。成功なんて、馬の鼻の先にぶらさげられた人参だ。馬は全力で走るが、絶対に人参にとどかない。でも、その失敗のユーモアとあはれは、美しい。成功は幼稚、失敗は成人。失敗は、真実の美。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) November 16, 2019
小沢健二が語る「1995」という数字が引き寄せた偶然とは?
今年の2月、1995年から今までを思いながら作業した"強気強愛 1995 DAT Mix"という作品を仕上げた、1週間後。気になっていたアーティストのライブに行った。自分が1995年に初めて演奏した武道館につくと、そのライブのタイトルはなんと"1995"。ありゃ!と思った。そういう偶然って、ある。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) November 16, 2019
その後メールをやりとりして、彼女が1995年生まれとか、色々を聞いた。その中で、"彗星"の歌詞の焦点が合ってきた。そういう、人と一緒に生きている中の偶然はかけがえがない。1995年生まれの人が、僕の曲を聞いて、今は曲を書いて、僕にも届く。それはまたくり返す。言葉は、続いていく。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) November 16, 2019
小沢さんが今年配信した「強い気持ち・強い愛 (1995 DAT Mix)」を仕上げた後に、気になっていたアーティストあいみょんさんの日本武道館弾き語りワンマンライブを鑑賞。
小沢さんにとっても1995年は初の武道館公演を行った思い出の年で再び武道館を訪れて感慨に浸っているとあいみょんさんのライブタイトルは「AIMYON BUDOKAN -1995-」。
「1995年」という数字が2人を引き寄せた偶然について小沢さんは「1995年生まれの人が、僕の曲を聞いて、今は曲を書いて、僕にも届く。それはまたくり返す。言葉は、続いていく」と表現。
また、放送を見ていたであろうあいみょんさんもSNSに「1995年、臍の緒で繋がれていた私が母ちゃんのお腹を飛び出してから24年。今、『1995』が繋いでくれた偶然や喜びがあること。音楽があること。それを噛み締めている夜です。」とメッセージを寄せています。
1995年、臍の緒で繋がれていた私が母ちゃんのお腹を飛び出してから24年。
今、「1995」が繋いでくれた偶然や喜びがあること。音楽があること。
それを噛み締めている夜です。— あいみょん (@aimyonGtter) November 16, 2019
小沢健二出演の「SONGS」に反響
放送を見た人からは、「小沢健二とあいみょんがTwitter上で会話してるの色々エモいな。」「あいみょんが小沢健二を敬愛してるのは有名だけど、小沢健二もあいみょんから影響受けてたんだー! なんかすごいなあ」「小沢健二に影響を受けたあいみょんの武道館に小沢健二が行っていたというエモ展開が起きている」などのコメントが寄せられています。
SNSの小沢さんのツイートに呼応するかのように、あいみょんさんがメッセージを寄せる流れが感動的ですね。また、影響を受けたアーティストが自分の曲を聴いてライブに来てくれるというのは感慨深いですね。
(文:かんだがわのぞみ)