草間の別れを描き、神回と評判の朝ドラ『スカーレット』光の巧みな使い方にも絶賛の声 #スカーレット

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戸田恵梨香さん主演のNHK連続テレビ小説「スカーレット」(NHK総合)の第5週「ときめきは甘く苦く」(第30回)が、11月2日に放送されました。この日は、佐藤隆太さん演じる草間宗一郎の悲しい別れが描かれ、話題を集めました。

「スカーレット」第30回あらすじ

少女時代に大きな影響受けた草間宗一郎(佐藤)と8年ぶりに再会した川原喜美子(戸田)。

草間から、戦争で離れ離れになっていた妻・里子(行平あい佳)が、別の男性と店を開いていると聞かされます。

戦時中は満州で働いていた草間から、妻が日本で空襲にあって行方不明になり、ずっと探しているという話を喜美子は聞いていました。

喜美子が草間を後押しする形で食堂に入ると、生き別れた夫との突然の再会に驚く里子。

一方で、草間は焼き飯を注文して、黙って新聞を読むなど、時間をつぶすだけで彼女に話しかけようとはしません。

すると草間は、他の客の会話から里子が妊娠していることを知り、署名された離婚届と「幸せに 宗一郎」とメッセージを添えた手紙を残して、店を後にしました。

草間の別れを光を巧みに使って描く

草間と里子の別れの場面で重要な役割を果たしたのが、照明。

喜美子と草間が入店した時は、黄金色の美しい夕日が店内を照らしていたのですが、次第に光は薄れて外は暗闇が覆うことになります。こうした光の使い方は、時間の経過をわかりやすく表現するものです。

一方で、こうした光の移り変わりは、まだチャンスはあるかもしれないという草間の儚い希望が揺らぎ、消えて行く、心の動きを代弁する役割も果たし、この照明の使い方がドラマを印象深いものにしていると言えるでしょう。

そうした切ない場面を描いた後だからこそ、草間と喜美子が夜の街を歩くシーンでの灯りは、温かみを感じさせる色調になっており効果的でした。

時間を感じさせないという意味では、戸田さんの演技も光るものがありました。8年前、草間と出会った喜美子を演じたのは、子役の川島夕空ちゃん。戸田さん演じる喜美子と草間は初対面という形になります。

しかし戸田さんは、子供時代の喜美子と同じトーンで草間に話しかけるなど、演者が交代した喜美子と草間の再会に違和感が無いよう演じていました。

また一方では、妻が別の男と店を営んでいることを知って、会いに行くこともせず立ち去ろうとする草間に、「草間流柔道の名に恥じるわ! 柔道で言うたら草間さん負けてます」と活を入れる喜美子。

自然な形で草間と喜美子の再会を描きつつも、弱気な草間を引っ張ろうとする喜美子の成長を見せる脚本、それを体現する演技が素晴らしいと感じられたのではないでしょうか。

そして最後、お互いに礼を交わし、草間流柔道の「礼に始まり礼に終わる」を実践する姿を通して、草間と喜美子の心と心の結びつきの強さを見せるシーンも感動的です。

力の入った光の演出に反響「神回」

放送を見た人からは、ネット上で「演技と光の演出で時間経過がわかる。過剰なセリフやナレーションがないのがとてもよいな」「光の使い方がいいなあ。せつなくて苦しい感じを光がやわらげてくれた」「11月2日の放送は、台詞ではなく無言の場面をつなげることで、余韻を生み出した神回。草間さんの切なさは、きみちゃんがいてくれたおかげで少し和らいだかな」などのコメントが上がっています。

草間と妻の別れを描く重要な場面ということもあり、演技、演出、脚本と、非常に力の入った内容でした。特に、光の巧みな使い方は、情感という言葉の意味を噛み締めたくなる素晴らしい演出だと感じた方が多かったのではないでしょうか。

(文:かんだがわのぞみ)

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