7月16日、お笑いコンビ・ロザンのYouTubeチャンネル「ロザンの楽屋」では、原発事故の裁判で13兆円の賠償命令が出たことについて取り上げる動画を公開。原発のあり方から日本人全体の気質まで幅広く議論され、注目を集めています。
(画像:時事)
■東電旧経営陣への約13兆円賠償判決を受け、ロザン宇治原「僕の中でちょっとそこが引っ掛かっていて…」
東京電力福島第一原発事故をめぐる株主代表訴訟について、東京地裁は東電の旧経営陣4名に対し約13兆円の賠償を命じました。
このニュースをふまえ、今回の動画では日本における原発のあり方についてトーク。その中で、宇治原史規さんは、原子力規制委員会の存在に言及します。
「『これ、下に断層がありますよ』って原子力規制委員会が言った時に、どっちかっていうと原発を持っている会社は『いやいや、これ断層じゃないですよ』っていう言い方をやるんですよ。僕の中でちょっとそこが引っ掛かっていて」と宇治原さん。
「原子力規制委員会って、僕の中では、審判だと思ってるんですよ。あるいは裁判官」「ところが、敵対している」と、原子力規制委員会と会社が「VS」の関係になってしまっていると言います。
「僕は『断層ありますよここに』って規制委員会が言ったら『うわっホンマですか?ありがとうございます。危ない所でした』って言うのが原発を持ってる会社の正しいやり方」と主張。
そして「これを変えていかないと同じようなこと(事故)が起こってしまう可能性がある」と危惧します。
■宇治原、日本人の気質をバッサリ「とんでもない大損害が起きるまで戦争が止められない」
また、原発の話を踏まえた上で、宇治原さんは「(日本人は)一度動かしたものを止めるのがむちゃくちゃ苦手」と指摘。
戦争を含め、これまでの歴史を学ぶ中で宇治原さんはそのことを強く感じてきたそう。宇治原さんは「(日本は原発を)安全に運営していく能力があんまり高くない」とも指摘し、一度原発を再稼働してしまうとなかなか止められないと言います。
このことは、昨今のコロナ禍において、日本人がマスクをなかなか外さないことともつながると語る宇治原さん。「思い切ってこれやめましょうとか、思い切ってこれ止めましょうとかいうことがなかなかできない」「だから、熱中症になるまでマスクを外せないっていうのに近い」と指摘。
日本人は何か大損害が起きない限り一度始めたことをなかなかやめられない性質だとし「とんでもない大損害が起きるまで戦争が止められない」と例えます。
■宇治原の指摘に視聴者「グサッときますね」
他にも、原発については廃棄物処理や電力需給の問題があること、原発が近くにある地域の住民とそうでない住民とでは考えに温度差があることなどについて議論しました。
今回の動画に対し、ネット上では「原発再稼働に関しては、極めて日本人的な部分に触れないといけないので難しいですね」「結局最悪の状態にならないと歯止めが効かない…グサッときますね」「異なる意見を否定せず柔軟に物事を考える習慣を、日本人は意識して身に付けないといけない気がしました」との声が上がっています。
原発という非常にデリケートな問題について取り扱ってくれたロザン。あらためて深く考えるきっかけになった視聴者も多いのではないでしょうか。
【番組情報】
ロザンの楽屋
https://www.youtube.com/watch?v=SWCo353rLRI
(文:二木もなか/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)