12月15日、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんのYouTubeチャンネル「ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル」では、小説家・太宰治が『人間失格』を執筆した場所を訪れ、トークする動画を公開。又吉さんが太宰の知られざる素顔を語り、注目を集めています。
(画像:時事)
■『人間失格』執筆時、太宰は「普通に面白かったし、優しかった」又吉が文豪の真の姿に迫る
今回の動画の舞台は、太宰や志賀直哉などの文豪に愛された旅館「起雲閣」。太宰が『人間失格』を執筆したとされる「大鳳の間」での収録です。
以前、太宰の知人だという女性と話す機会があったという又吉さん。
その女性は、太宰と知り合った時はまだ子どもでしたが、太宰とその愛人・山崎富栄と3人で一緒に映画を観に行くほどの仲だったとか。
又吉さんは女性に「いろんな本を読んでいると、『人間失格』書いた時(の太宰)はもう、ちょっと精神的に大変やったから、こうなんか、普通の状態ではなかったっていうふうに書かれているものが資料でもあったりするんですけど、どうでした?」と聞いたそう。
すると、女性は「いや、全然普通に面白かったし、優しかった」と答えたのだとか。
女性によると、その時の太宰は「『映画一緒に観に行こう』って言って観に行ってくれて、『面白かったね』とか」「(『人間失格』を)書き終わった時も『書けたよー!』って言ってすごい嬉しそうに『マルマルちゃん書けたよー!』って言って」とのこと。
『人間失格』を書き上げた時の太宰の嬉しそうな姿がとても印象的だったそうです。
映画を観た帰り、別れる時も太宰は「また来るからねー!」と手を振ってくれたとか。女性の話を聞き、又吉さんは「だいぶ話ちゃうなー」と思ったそうです。
■太宰治の本当の姿を知った又吉「すごく嬉しかった」
又吉さんいわく、『人間失格』は太宰の他の作品と比べて「ちょっとこう、勢いで書いたみたいな、感情的に書いてるって言う人もいる」とのこと。
しかし、又吉さん自身は「僕が読んでる限り全然そんな印象がなくて」と言います。そんな又吉さんは、本当は明るく優しかったという太宰の話を聞き「僕はなんかすごく嬉しかった」そう。
『人間失格』は、主人公の男性の手記という形で描かれる一人称小説です。したがって、又吉さんとしては「そこに対しての正確なアプローチやなと思うから、これって疲れててもうよう分からん感じで書けるものなのかな」「普通書かれへんけどな」と考えていたそう。
そこに、太宰の姿を知る人から「普通だった」様子を聞くことができ、嬉しかったとのこと。
当時その女性は、映画の帰りに別れた後、しばらくして太宰が自殺したことを知りとても驚いたそうです。
「(別れ際に)すごい明るく手を振ってくれてたから、びっくりした」と女性に言われ、又吉さんも「そうなんだなぁ」と納得したとのこと。
■太宰治の素顔に視聴者「真実味がある」
他にも、又吉さんにとって『人間失格』とはどういう作品かについて深く語ってくれた今回の動画。
ネット上では「又吉さんが太宰さんのこと語ってくれるのがもう好きで好きでたまらない」「真実味があるなぁと思いました」「何かサムネ似てるよな。太宰治と又吉さん」との声が上がっています。
又吉さんも敬愛する文豪・太宰治の亡くなる直前の様子を知ることができ、感動した視聴者も多かったのではないでしょうか。
【番組情報】
ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=njC14gta4bs
(文:二木もなか/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)