朝ドラ「なつぞら」が『鉄腕アトム』を批判?「認めていますか」攻めたセリフが話題

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NHKテレビ連続小説「なつぞら」97話が7月22日に放送されました。この日は、「鉄腕アトム」をめぐる坂場一久(中川大志)の攻めたセリフが話題を集めました。

「なつぞら」97話あらすじ

昭和38年の夏。奥原なつ(広瀬すず)は、東洋動画の原画担当として初の女性アニメーターとなり、彼女の活躍を取材するため雑誌の記者が会社を訪問。

行きつけのおでん店「風車」でも、なつが取り上げられた週刊誌の話で盛り上がりを見せます。店にお客として現れたなつの兄・咲太郎(岡田将生)は、劇団の中で小畑雪次郎(山田裕貴)と、看板女優・亀山蘭子(鈴木杏樹)の仲が噂になっていることを明かします。

幼馴染の雪次郎のことが心配になったなつが部屋を訪ねてみると、雪次郎の口から「なんでもない」と伝えられ、安心するなつ。

翌日、出社すると、東洋動画では、大人気テレビ漫画の影響を受け、社内でもテレビ漫画を製作する班をつくる話が出ていることがわかりますが…。

「鉄腕アトム」の手法に疑問の声を上げる坂場一久

1963年(昭和38年)にテレビ用アニメーションとして放送が始まった「鉄腕アトム」の話題がなつが働く東洋動画でも持ちきり。

会社でも「鉄腕アトム」の人気を無視できず、東洋動画でもテレビアニメチーム結成され、なつは原画を担当することになります。そして、テレビ用の作品「百獣の王サム」の企画書を渡され興奮するなつの一方、演出家デビューすることになった坂場一久(中川大志)はどこか浮かない顔を見せます。

すると、坂場は上司の仲努(井浦新)に「仲さんに質問です。東洋動画らしくないとは思いませんか。『アトム』と同じように作るということは……」と疑問をぶつけます。

坂場の言葉に仲は低予算で、コストパフォーマンスが優れている「鉄腕アトム」の手法のメリットを説きます。

「あれをアニメーションだと認めていますか?」リミテッドアニメの手法に抵抗

しかし、坂場は「仲さんは、あれをアニメーションだと認めていますか?僕は少なくとも、東洋動画らしいアニメーションの作り方だと思いません。それでも作る形はあると思いますか?」と反対的な意見を仲に伝える坂場。

1秒に24枚もしくは12枚の絵を使うフルアニメーションに対して、コスト優先したのが、「鉄腕アトム」で採用されたリミテッドアニメの手法。

1秒に8枚の絵を使うリミテッドアニメは、フルアニメーションの様なキャラクターが生きているような滑らかな動きが制限されます。それを補うために、同じ動画を何カットも兼用するなどの手法が採用されたことで知られます。

今回の「あれをアニメーションだと認めていますか?」というセリフの背景には、コスト重視でアニメーション本来の動きの美しさが失われている、リミテッドアニメの手法を東洋動画が採用することへの抵抗を表したものとなっていました。

「鉄腕アトム」を批判したことに驚きの声

ネットでは放送を見た人から、坂場の言葉に「手塚治虫批判正面から行ったのはいいな」「『鉄腕アトム』に対して『あれをアニメーションと認めるんですか?』というセリフを坂場に言わせたのはさすが」「『アトム』を示唆する架空の作品名にするという手もあっただろうに。英断」「鉄腕アトムをアレ呼ばわりする坂場、最強」など驚きと賞賛の声があがっていました。

今回、坂場が呈した疑問はアニメーション芸術の根幹に関わるところで、効率かそれとも作品の質かというエンタメ全般に関わる永遠の命題を端的に扱ったという意味のある言葉だったのではないでしょうか。

(文:かんだがわのぞみ)

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