『かめはめ波』の由来を鳥山明が激白!必殺技に名前をつけるのは日本だけ?「ネーミングバラエティー」が"超面白い"と話題

投稿日:2019/06/15 19:24 更新日:

6月13日放送の「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」(NHK)では、漫画・アニメ・特撮でおなじみの必殺技を特集。「ドラゴンボール」の"かめはめ波"の名前の由来、そして、技に名前をつける日本人特有の行為の源を調査した内容が話題になりました。

好きな必殺技をランキング形式で紹介

漫画・アニメ・特撮で登場キャラクターが繰り出す必殺技は作品の魅力の1つ。実際に必殺技の数は10万以上はあるとのこと。番組では、好きな必殺技をランキング形式で紹介しました。10 くらいから2位は以下の通り。

10位 螺旋丸
9位 北斗百裂拳
8位 卍固め
7位 昇龍拳
6位 空手チョップ
5位 ライダーキック
4位 スペシウム光線
3位 元気玉
2位 アンパンチ

有名なプロレス技である"空手チョップ"などがランクインする中で、1位に輝いたのは誰もが納得の「ドラゴンボール」の"かめはめ波"。

スタッフは集英社のドラゴンボール室に特別にお願いして原作者の鳥山明先生から名前の由来を聞くことに成功します。

"かめはめ波"の名前の由来とは?

鳥山先生によると、"かめはめ波"は亀仙人の必殺技だったのでネーミングにも"かめ"というワードを入れたかったとのこと。すると奥様から「"かめはめ波"はどう?」とアドバイスをもらい、「面白いと思い」採用したそうです。

鳥山先生のアイデアではなく奥様の発想から"かめはめ波"が生まれたのは面白いですね。ただし、ハワイ王国の初代国王であるカメハメハ1世と同じ名前ということもあって「ハワイの人に怒られないか心配したそうですが、正義の主人公の技なので大丈夫だろう」と"かめはめ波"をそのまま採用。

今では必殺技の代名詞として"かめはめ波"は多くの人に親しまれています。

必殺技に名前をつけるのは日本だけ?

アニメや漫画で登場するヒーローの必殺技に名前をつけるのは日本ではポピュラーですが、外国では必殺技に名前をつける習慣はあまりないそう。

そこで、なぜ、日本人は技に固有の名前をつけるのかその理由を調査することに。番組では必殺技のルーツを探るべく古武術の道場を訪問。ここで登場したのが戦国時代から伝わる"金翅鳥王剣(きんしちょうおうけん)"と名付けられた技。

"金翅鳥"とはインド神話に登場する神の鳥・ガルーダのことで、空から獲物を狙うように刀を振り上げて嘴でついばむ如く獲物を捉えるガルーダの動きが名前の由来になっているようです。

古武術では技の極意やマニュアルをそのまま名前にするケースがあるそうで、それには、戦国という時代との関わりがあるのだとか。

伝承のためのマニュアル化と「言霊信仰」が由来?深掘りがすごい

戦さの世の中だと師匠が技を伝承する前に死んでしまうこともあり、そこで、技を後世に伝承できるように必殺技に名前をつけることでマニュアル化したそう。技名を聞いただけで後世の人がイメージできる、そういうネーミングが重要だったようですね。

その後、江戸時代になると武術は庶民の習い事になり、そのまま日本人にとって必殺技は身近になっていったそうです。

さらに時代を遡って日本人と必殺技の関係性を調べると「言霊信仰」というワードが浮上します。言語そのものに霊力が宿っているという考え方の「言霊信仰」は古くは「万葉集」にもそのことが書かれているのだとか。

言葉には魂がやどるとされ、名前をつけるということを大切にしてきた日本人にとって、必殺技に名前をつけたがる根底には「言霊信仰」との結びつきもあるようですね。

必殺技の由来に反響

ネットでは、放送を見た人からは、「必殺技の由来とか紹介されてて超面白い」「ネーミングバラエティ面白いな。必殺技って日本だけだったんだ」「面白かったな。必殺技の起源は古武術の技名にあるらしい」など声があがり、面白さに感動した人が多かったようです。

番組が「言霊信仰」や古武術にまで遡り、なぜ日本人は技に名前をつけたがるのかを深掘りするところが特に面白かったですね。また、"かめはめ波"の名前の由来を鳥山先生から聞けたのもファンにとってはたまらないシーンだったのではないでしょうか。(文:かんだがわのぞみ)

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