本木雅弘「私にしては珍しく人間に愛情があった」と名作『おくりびと』を語る! #プロフェッショナル

投稿日:2020/03/29 15:59 更新日:

3月28日の「プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)では「本木雅弘スペシャル」を放送。一昨年亡くなった樹木希林さんが雑記帳に記した言葉に本木さんが目を留め、その様子が話題となりました。

(画像:時事)

■本木雅弘「私にしては珍しく人間に愛情があった」と名作『おくりびと』を語る!

本木雅弘さんは、29歳の時に内田裕也さんと樹木希林さんの娘である内田也哉子さんと結婚。30代になった本木さんは、俳優としてもがいていた時期で、食事の席で、義母の樹木希林さんと「表現することにおいて」ぶつかることがあったそう。

それでも「自分には愛がない、だから自分も 愛せない」と思い悩んでいた本木さんを見かねた希林さんは「もっと 楽に生きたら?自分が疲れない?」と声をかけてくれたとのこと。

しかし、本木さんは「気づけない人の苦しみがわかりますか?っていうやり取りが結構あった」と、希林さんの言いたいことはわかるけど素直にその言葉を受け入れることができなかったと苦悩を語ります。

そうした中、本木さんが興味を持ったのが亡き人を棺に納めその魂を見送る「納棺師」という職業。周囲からは葬式の裏側を描いてもヒットしないと反対されながらも、本木さんは映画「おくりびと」(2008年公開)で主演を務めました。

納棺師として働く人に話を聞くなどの役作りをして撮影に臨んだ本木さんは「自分は現実を知っている、そこに触れたっていう自信ですかね、自信が圧倒的に違った。私にしては珍しく人間に愛情があったんじゃないですか」とコメント。

これまで演じた役柄とは異なる充実感のあったというこの作品はアカデミー賞外国語映画賞を受賞するなど成功をおさめました。

■樹木希林が雑記帳に記した言葉とは?

生前、演技に苦悩している本木さん見て「悩んでるのが好きなのよ」と話していた希林さんは、2018年に亡くなりました。

希林さんが暮らした部屋は今もそのままになっていて、遺された雑記帳を整理していた時に本木さんの目に留まったのが「美によって神に到達するこの道がもっともやさしく望ましい。虚飾なく、それでいて心を動かす何か一芸を観せるんではなく、心を込めて自分を出すんではなく無念な魂を鎮めていただけるよう演じる」という希林さんの言葉。

この言葉について本木さんは「演じる時はまだ答えの出ていないあなたの自我は脇に置いといていた方がいいんじゃない?もう少し素直に祈る気持ちで演じるべきじゃないの…。自分という未完成な状態を晒しているっていう行為で、そうやって認めていくのね、そうやって諦めていくのねっていうことをまた突きつけられた」と解釈。

言葉の真意は希林さん本人にしかわかりませんが、自分が目指す演技の理想を言い聞かせるように文章として綴っていたのかもしれませんね。

■本木雅弘の姿に反響

本木さんに密着した番組にはネット上で「『美によって神に到達する道がもっとも望ましい』。樹木希林さんの言葉。多分、道標になる言葉」「50を過ぎてももがき迷いながら自分を探している本木雅弘さん。自分に厳しいというより自分の中の可能性を探しまくってた。悩んでいると同時に楽しんでいる気がした」「プロフェッショナル仕事の流儀 本木さんのプロフェッショナル面白かったです。とても人間味が溢れる。矛盾があるのが人間だと思う」などのコメントが上がっています。

本木さんは探究心が強くて目指すべき理想が高いからこそ、苦悩することが多いのかもしれません。今回は、希林さんが記した哲学的な言葉も印象的だったという人は多いのではないでしょうか。

(文:かんだがわのぞみ)

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