サッカー元日本代表の本田圭佑さんのYouTubeチャンネル「Keisuke Honda / 本田圭佑」にて、8日にライブ配信が行われ、本田さんなりの視点でカタールW杯を振り返りました。
(画像:AFP=時事)
■本田圭佑、W杯の「結果だけで判断しちゃいけない」
今回のW杯での日本代表のプレーを踏まえ、今後の日本代表の戦い方やスタイルについての質問が届くと、本田さんは「これはホンマ、正解がないんですよね。正解がないんで、それを前提して聞いて欲しいんですけど」と前置きしつつ、次のように自身の考えを述べていきます。
「僕はやっぱり、強豪国を目指そうとすると、ボールを持たないといけないと思うんですよ。その方が(勝つ)確率が上がるし、何試合もこのタフなスケジュールの中でやって頂点を目指すには、そのスタイル以外に今の所優勝できる可能性は極めて低いんじゃないかなって思います」
続けて、本田さんは「でもこれループしてるんで」と切り出すと、2010年の南アフリカW杯で“現実的”な戦い方を取ってベスト16入りした後、2014年のブラジルW杯では“理想”を追い求めてグループ敗退の憂き目を見た過去を引き合いに出し、「でも、僕は何回も言っているように戻る必要はなかった。結果だけで判断しちゃいけないですよね。そう思っています」と自身の意見を述べました。
次の大会では選手たちが「ボールを持ちたい」となることを本田さんが予想すると、試合後の囲み取材で選手たちからそのような意見が出たことを紹介されます。
当時を知る選手たちから守備の大切さに関する話が出たことを知った本田さんは「そりゃそうよ。守備が大切なのは当たり前なわけで」と話すと、ボールを握るスタイルが「ある程度の時間を要するのは当たり前」と指摘しつつ、「1回のW杯でダメだったから否定するのは良くないし、長丁場で行こうとした時に、僕は、ボールポゼッションをしながら、チャンスを数多く作っていくスタイルを目指すサッカーの方が良いと思っているんで」と続けました。
「でもこれは正解がないです。何回も言うように、カウンターならカウンター。サッカー協会が定めて徹底的に予選からそれをやるべきですよね」と話した後、「好みですよね。哲学ですね」と話しています。
ちなみに、2010年から2014年の経験を知る本田さんは「アドバイスできることあるよ」と明かしました
■本田圭佑、PKについて見解明かす
また、本田さんはクロアチア戦のPKを選手の立候補性で決めたことに対する見解を「立候補は、僕は良いと思いますよ。別に蹴りたい奴が蹴れば良いんですから。それよりも、練習をちゃんと事前にしてたのか」と述べています
実際に練習をしていたことを知らされると、「であれば、順番をその時その時で決めるのは良いんじゃないですかね。結局、延長になって6人変わっている中で、誰が120分間終わった後にピッチ上に立っているか。なかなかguessしにくいんで。結果的にはああいう順番になって負けたわけですけど、それ自体を別に否定することはないですよね」と話しました。
さらに、「『PKは運じゃない』っていう見方は、そりゃそうなんですよ。誰かが蹴る以上は技術も駆け引きも関わってきますよね?」と話した後、「GKさえ両方トップレベルであれば、ボールを強くさえ蹴れれば、アマチュアのチームが代表レベルを負かすことができるのもPKなんですよ。それは120分では絶対に起こり得ない。もしかしたら、高校選手権で優勝するような高校が、ブラジルにPKで勝つことだって、GKさえ一流であればあり得る」と続けます。
「まあちょっと運入ってるよねって話」とまとめると、クロアチアのGKについて「めっちゃ良いGKですよね。俺も外しちゃうかもしれん。蹴ったら」と称賛しました。
■本田圭佑、共通点が多い“あの選手”に…
加えて、ドイツ代表とスペイン代表相手に同点ゴールを決めた堂安律選手は、左足の強烈なシュートやビッグマウスなど本田さんと共通している部分が多い選手です。
「この大会は本当に、(活躍した選手を)2人挙げろって言われたら三笘(薫)さんと堂安さんだと思うんですけど」と切り出した後、次のように称賛しています。
「堂安さんのおかげですよね。やっぱ“持って”ましたよね。後半出てきて、あの短い時間で決めるっていうのは、信じてなかったらできなかったこと。口にしてなかったらできなかったことだと思うんで。『どうなりたいか』っていうことを突き詰めて、それを頑張ってやり続けた。運を引き寄せましたよね」
大会前から堂安選手の活躍を予想していたという本田さんは「まあタイプ的にね。別に名前を挙げたのは堂安さんだけじゃないし」と話しつつ、「ああいうタイプが結果を残しやすいっていうのは、いつのどの時代もサッカーに限らず、そうなんじゃないかと僕は思っています」と話しました。
ネット上では、「サッカーにあまり詳しくない私でしたが、解説を聞いてとても分かりやすく、楽しめました」、「本田さんらしさ前面に出して色んな形で日本代表を盛り上げてくれて感謝してます」、「ケイスケホンダの話が面白い。サッカーの戦術の話はよく分からないが、この人の話を聞くだけでもエンタメ」など、動画全体の本田さんの話を称賛するコメントで溢れていました。
視聴者からの質問に回答していく形式の中で、本田さんなりの視点で今回のW杯を分析しており、その他のトークも非常に惹きつけられる時間でした。
本田さんだからこその話も非常に多く、代表戦での解説が称賛されている理由も大いに理解できる時間だったと感じます。
【番組情報】
Keisuke Honda / 本田圭佑
https://www.youtube.com/watch?v=8CjIOgVtHH8
(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)