スピッツのボーカルである草野マサムネさんがパーソナリティを務めるラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(TOKYOFMほか)。10月23日の放送では、草野さんがサザンオールスターズ桑田佳祐さん、Mr.Childrenの桜井和寿さん、RADWIMPSの野田洋次郎さんらの歌い方を分析。その解説がリスナーの間で話題になりました。
(画像:時事通信フォト)
■草野マサムネ、桑田佳祐が編み出した手法を解説
21:00~『#SPITZ #草野マサムネ の #ロック大陸漫遊記』
【 日本語ロックの歌い方の歴史で漫遊記🗾 】
日本語でロックを歌うのが当たり前に至るまで長い道のりがありました。
今日は、日本のロック史において、シンボリックなシンガーに焦点を当てて漫遊します🎤📻https://t.co/8p4eNB3IIp pic.twitter.com/ecTAk7UGHn
— TOKYO FM 80.0 (@tokyofm) October 23, 2022
草野さんによると、今でこそ日本語ロックを歌うのが当たり前になっているものの、ここに至るまでにはおよそ50年もの道のりがあったとのこと。
そこで、今回番組では「日本語ロックの歌い方の歴史で漫遊記」と題し、日本のロック史において、その後のロックシンガーたちに大きな影響を与えたパイオニア的なシンガーを草野さんが分析し、解説していきました。
サザンオールスターズの桑田佳祐さんについては「英語にあえて寄せる歌い方を普及させた方という認識をしています」とコメント。
というのも、草野さん曰く「桑田さんは曲を作る時、最初“でたらめ英語”で歌って音が近い日本語の歌詞に(言葉に)置き換える手法」を用いるそうで、そうすることで「リズム的には洋楽に近い日本語ロック」になるのだとか。草野さんは、この手法を「生み出した」のが桑田さんであると話します。
そして、草野さん自身は桑田さんような癖のある歌い方が出来なかったことから「そうじゃない歌い方を模索していた」と明かしました。
■草野マサムネ、桜井和寿の歌い方を分析
Mr.Childrenの桜井和寿さんについては「サザンの桑田さんの影響も受けているのかなって思う」としつつ「その手法プラス、桜井くん独自の歌い方」があると言います。
それは語尾の母音を省いて歌うこと。草野さんは「そういう風にして、曲のグルーブ感を損なわないように歌詞を子音で捉えて、よりリズミカルにのせている感じ」と桜井さんの歌い方を分析。
これを“桜井節”と呼ぶと「今結構活躍している若手のロックシンガーで桜井くんの影響下にある人は凄い多いんじゃないかなと思います。あの人もあの人もって感じです。あえて名前は出さないけど『その歌い方桜井くんの真似やん』みたいな人結構多いよね」と、ぶっちゃけました。
■草野マサムネ「日本語ロックの革命かも」世代ギャップを感じたバンドを明かす!
RADWIMPSの野田洋次郎さんについては「野田くんが子供の頃アメリカで暮らしてたっていうのも要因として大きいのかもしれないけど、とにかくね、言葉の数が多いです」といって、野田さんの楽曲はメロディにのせる言葉の数が多いと分析します。
そして「リズムと言葉の関係性がRAD世代以降明かに変わったような気がするんですよね」というと、例としてAdoさんやYOASOBIの曲を挙げて「細かい譜割あるじゃないですか。あれはね、RADWIMPSが登場した頃から、結構顕著になって来たような気がするんですよ」と分析。
また「聴いててね、すげぇかっこいいなと盛り上がるんだけど、歌うとなるともう俺ら世代はついて行けないところがありますね。世代ギャップを凄い感じだバンドです。RADWIMPSが出てきた時は、日本語ロックの革命かもって一瞬思ったけど、世代がスピッツと離れているっていうこともあって焦りとかは感じなかったんだよね」と率直な心境を話しました。
■興味深い内容に「濃すぎました」「大学の講義のよう」の声
今回の放送について、ネット上では「今日のロク漫は濃すぎましたね」「草野マサムネさんがボーカルの発音などを解説しているの、まるで大学の講義のようだ。音楽とはそうして分析しながら表現されている緻密な世界なんだな~」「マサムネさん、色んな人の歌聴いて分析してるのね 確かに似た歌い方の人いるよね」といった声があがっていました。
草野さんによる、色々なミュージシャンの歌い方の分析は大変興味深かったですね。
また、草野さんがサザンやミスチル、RADなど国民的バンドのボーカリストについて解説していたのは貴重だと感じられたのではないでしょうか。
【番組情報】
SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記
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(文:ジョブリナ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)