サブスクの是非が議論を呼んでいます。
先日シンガー・ソングライターの川本真琴さんの発言「サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしい」が大きく報道されましたが、他にもサカナクション山口一郎さんやスピッツ草野マサムネさんが過去にサブスクの深刻な裏側を語っています。
(画像:時事通信フォト)
■サカナ山口一郎「サブスクでの収入はほぼ無い」
2020年にTOKYO FMのラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー『サカナLOCKS!』で語られたのはサカナクション山口一郎さんによるサブスクの「収入はほぼ無い」というお話し。
山口さんは「サブスクでの収入はほぼ無いですね。サブスクでちょっと今月楽だなー、って思ったことは正直ないです」と語り始め、サブスクサービスによってパーセンテージが違うこと、原盤権を所有しているか否か契約などで細かく取り分が違うことを説明しました。
インディーズで自ら制作費を出した場合は原盤権をミュージシャンが保持できるため、サブスクで分配されるパーセンテージが変わり「メジャーより売れなくても結構ちゃんと収入になる」と分析。
自らを「中堅」と表現しながら、メジャーで「中堅」クラスだとサブスクによる収入はおいしいものではないと話し、誰もが知っているようなビッグアーティストで大量に再生されているのであれば収入はあるだろうと予測していました。
当時、この告白はネットでも大きな話題となりサカナクションほど有名なミュージシャンでも厳しい世界であることは物議を醸しました。
■スピッツ草野マサムネ「かなり違和感ありました」
スピッツのボーカル・草野マサムネさんはラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』でリスナーから「音楽のサブスクについてどう思っていたのでしょうか」との質問でサブスクについての考えを話しています。
Mr.Children・桜井和寿さんがサブスクに対して「すごく違和感があって抵抗してた時期がありました」と答えていたインタビュー記事を紹介。
この桜井さんの言葉に対して、草野さんも「配信とかサブスクはね、僕も桜井くんと一緒で」「最初はねかなり違和感ありました」と年齢的にも変化への対応が遅くなると、真剣な声色で答えます。
しかし、アメリカで活動するあるベテランミュージシャンからの「これは100年前に戻っただけだからあんまり気にしないでいいよ」との言葉を受け、考えが変わったそう。
草野さんは「(レコードやCDなど)音楽ソフトを商品にして売る文化っていうのはせいぜい100年そこそこのもので…」「それ以前は生演奏しかなかったわけなんで」と自分の中に落とし込んだとのこと。
続けて「時代にちょっと戻ったって考えれば」と、ストンと腑に落ちたと語りました。
さらに「『ライブこそがミュージシャンの生きる道』って考えてた矢先、コロナ禍だったので」「『これはどうしよう』と」と戸惑ったこともあったと赤裸々に明かしています。
大物ミュージシャンでも収益面で厳しいということが明らかになっていくなか、ライブで稼ごうとするもコロナ禍に突入と、かなりの試練を与らえていることが分かります。
いつでも聴ける自由さと引き換えに様々な人々が犠牲を強いられている「音楽のサブスク」、みなさんはどう思いますか?
(文:豊崎ジーン/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)