7月15日放送の「MUSIC SPECIAL 松本隆 50年~時代と人をつないだ作詞家~」(NHK総合)では、作詞家の松本隆さんがKinKi Kidsの名曲『硝子の少年』誕生秘話を明かし話題を集めました。
■松本隆、ジャニーさんから「怨念」を感じていた?
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「#松本隆 50年 ~時代と人をつないだ作詞家~」
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— NHK MUSIC (@nhk_musicjp) July 15, 2021
番組では、KinKi Kidsのデビュー曲『硝子の少年』の作詞を担当した松本さんが堂本剛さんと堂本光一さんと3人でトークを繰り広げました。
今回の主役・松本さんは、『硝子の少年』を作る経緯として、KinKi Kidsのデビューシングルを作って欲しいとオファーを受けたと明かします。ただ、その『硝子の少年』が発売される1年前には『Kissからはじまるミステリー』の作詞も担当していました。
しかし、この曲はデビュー曲に採用されず、次の曲もKinKi Kidsのデビュー曲にはならなかったという松本さん。「ジャニーさんの『もっといいもの』『もっといいもの』っていう怨念みたいな感じできたけどね」と当時を振り返ります。
続けて、松本さんが「普通だったら『Kissからはじまるミステリー』だって良い詞だし、良い曲だし、普通これOKだよなって思って。でも『もう1個』って言われて」と話すと、光一さんは「それ知らなかったんですよね僕ら」と驚きの表情を浮かべます。
また、光一さんは「CDデビューすることも直前まで知らなかったですし。ジャニーさんがデビューするにあたっては『それじゃないそれじゃない』みたいなことを言ってたっていうのを僕ら知らないんですよ」と語りました。
■「書かしてんのは君たちだよ」松本隆、10代のKinKi Kidsに『硝子の少年』を作詞した理由を明かす
苦労したという松本さんは「2階の書斎でもう煮詰まっちゃったから今日はやめようかなって思って、で、1階に降りてって居間に行ったらテレビで君たちが歌っててさ…。何となく見てたら『あぁ硝子』かと思って」と当時10代だった2人をテレビで見て『硝子』というワードをこの時閃いたことを明かします。
また、松本さんは「壊れやすくてでもキラキラしてて綺麗だなと思ってさ『硝子の少年』って浮かんでさ、 ま、詞書いてみようかなと思って作ったらああいう詞でさ」とコメント。
続けて、松本さんは「色んな別れの歌書いて汽車の歌が多かったから駅の歌が」「だから違う別れないかなと思ってそういえば長距離バスっていうのを最近で新宿でよく見るなと思って…。長距離バスでも別れあるだろうなと思って、何かそういうふうに思ったらもうドラマが勝手に始まってさ」と歌詞誕生の過程を詳細に説明しました。
様々な苦労を経て誕生したこの楽曲について剛さんは「『硝子の少年』は何年経っても歌いだし自分っていうのもあるんですけどめちゃくちゃ緊張するんですよ」と話すと、松本さんは笑みを浮かべます。
続けて、光一さんは「当時のあんなガキんちょに結構大人っぽい詞じゃないですか。何かそれを歌わせてた…歌わせてもらってた」と話すと、松本さんは「でも書かしてんのは君たちだよ」と指摘しました。
■松本隆・KinKi Kidsのトークに反響
また、剛さんは「もう一度ここに立ち止まってみてそこから今を見てみようみたいな。そんな雰囲気がとてもあるのは『硝子の少年』が特に本当にそういう曲で」とこの曲への思いを明かします。
さらに、松本さんが「多分、50歳と60歳になっても歌えると思う」と伝えると、剛さんは「本当そうなんだと思います」、光一さんは「そういうふうに言われて頂いた曲でしたよね」と語りました。
今回の放送について、ネット上では「ジャニーさんの怨念は、2人への深い深い愛なんだろうな」「ジャニーさんの怨念と彼らの放つ雰囲気によって生まれた硝子の少年。もう最高ですよ」「ジャニーさんの怨念ってすごいな。ジャニーズ事務所の中の派閥みたいなのあまり知らないんだけど、まじでKinKi Kidsの2人にはジャニー喜多川の夢と理想がパンッパンに込められてたんだろうな。最高傑作だよ」などのコメントが上がっています。
松本さんが「ジャニーさんの怨念」を感じるほどジャニーさんが拘っていたというKinKi Kidsのデビュー曲。そのエピソードから、最高の曲でKinKi Kidsをデビューさせたいというジャニーさんの執念が視聴者にも伝わったのではないでしょうか。
(文:かんだがわのぞみ)