毎週土曜日bayfmで22時から放送されている「堂本剛とFashion&Music Book」。今回の放送は2月23日。語呂合わせで「つつみ」と読むこの日は「風呂敷の日」とされているそうです。風呂敷は今では海外のお土産などの定番ともなっていますが、なかなか普段使いすることは少なくなっているものでもあります。このような日本の文化や伝統について残していくべきなのか、そうではないのかというところはとても難しいとのこと。消えていってしまうのは悲しい、淋しいということもあるが、必ずしも消えていってしまうことが悪いことではないと思うと言う剛さん。風呂敷という形ではなくとも、そこに使われた文様などがほかの形で使われることによって、結果的に風呂敷の歴史は残っていくということもあるとのこと。昔の人たちが発展させてきた文化や文明にさかのぼってみることで未来に進んでいくと、「そういうものを学べるような国であってほしい」と語りました。剛さんのこの言葉に「素敵な考え方だなぁ」といった声が上がっていました。
言葉を選びながら語る剛さんに「やさしさが沁みる」とファンの声
また、リスナーから「震災について」のメールが届くと、言葉を選び、考えながら剛さんの気持ちを話しました。決して押し付けたりするわけでもなく、それぞれの想いを大切に受け取りながら伝えるその姿にリスナーからは「浄化された」「やさしさが沁みた」と大きな反響が。メールが読まれたリスナーの方は、東日本大震災で故郷を失ったそうです。大好きな故郷が失われたのが受け入れられずにいたが、剛さんの楽曲「街」を聞いて、少しずつ心に変化があったとのこと。自分たちの街は新しく生まれ変わろうとしている、その姿を見守っていこうと感じるようになったという内容でした。震災という重いテーマのメールに対して、剛さんは「一人一人の悲しみ、苦しみに対して向き合えるほどの力は僕にはないけれど、そんな中途半端な僕だけれど、向き合っていたいと思うことは多々ある。自分の中ではまだ向き合うには未熟だと感じているから、あまり発言もしないし行為も控えたりはしている。かといって何もしないということは僕の中にはない。だから『想う』ということはずっとしている。『想う』ということがどれだけ現実と戦っている人に光を与えているのかと思ったら分からないけれど、それをやめる理由がない。そういうことを一人で思うのではなく、もっとみんながいろんな話をすればいいのになって思ったりする。こういう話はゴールがないのでずっと話していたくなる。今、とりとめもなく話しているけれど、この会話の中で聞いている人にとっていい感情につながるものがあればいいなと」と語りました。
「その子たちにとっての『ここ』がまた作られていく」
剛さんも故郷を大事にしている方なのは周知の事実ですが、震災とは違えど、地元奈良の街に帰ったときに景色が変わってしまっていることもあるといいます。「僕が知っている景色じゃなくなっちゃったとすごく悲しくなる。あの頃の記憶全部持っていかれたって。ここ、よく歩いたなっていうときの『ここ』がなくなってしまう。悲しくなったりさみしくなったりする。でも、今生まれてくる命もあって、その子たちにとっての『ここ』がまた作られていく。自分の故郷に対しての理想を強調して佇むことはしないでおこうと思うようになった。変わって当たり前。歴史は進むから。」と語りました。震災となるとそれが人の力ではなく天災だったりするので、そこにまた別の感情が走る理由にもなるとのこと。時間がたつにつれ、ニュースで取り上げることも減り、その場所に住んでいない人にとってはなかなか実感がわかない話になってしまう部分もありますが、今回の剛さんのラジオで今一度あらためて『想う』ということを考えた方も多くいたようです。
「いつも以上に優しかった」感動の声続々
ネットでは、「こんなに心に寄り添ってくれる人いない」「いつも以上に優しかった」「素敵な考え方」などの声があがり、感動した人が多かったようです。今回の放送は、いつも以上に剛さんの優しさが伝わる放送だったようですので、聞き逃した方はぜひ、radikoのタイムフリー機能などで剛さんのラジオを聴いてみてくださいね。
http://radiko.jp/#!/ts/BAYFM78/20190223220000
(文:KinKiKidsライター ドナ)