8月19日放送の宇宙の人気番組『新銀河紀行~驚異の地球文明~』(NHK総合)が新感覚の教養番組だと話題を集めました。
斬新!NHKが宇宙人目線の地球探求番組
このあと22:00より放送されます宇宙の人気番組『新銀河紀行~驚異の地球文明~』に地球人代表で出演させていただきますっ🌏
皆様は宇宙人の方々の疑問に答えられますでしょうか👽❓
NHKさんです📺⚡️#囚われてる地球人 pic.twitter.com/8e8jLOgQl0— 加藤 諒 (@kato_641) August 19, 2019
新感覚の教養番組として話題の宇宙の人気番組『新銀河紀行~驚異の地球文明~』。人類は滅亡したという設定で、2人の宇宙人キャスター、イシザワ(石澤典夫さん)とクサノ(草野満代さん)が、かつて存在した地球の文化文明を宇宙人目線で探求するというユニークな番組。
キャスターの2人に加えて、地球人類の数少ない生き残りのカトう(加藤諒)が参加。宇宙人視点で三つのテーマを深掘りすることになります。今回取り上げたテーマは以下の三つ。
1.「なぜ地球人類は、あまりうまい絵とは思えないゴッホの『ひまわり』に心を奪われるのか」
2.「なぜ水分とカテキンの摂取にわざわざルールを設けて『茶の湯』を楽しんだのか」
3.「穴にボールを入れる『ゴルフ』なるものは、なぜ地球で人気?」
ちなみに、2人のキャスターはとんがり耳で、クサノは巨大な茶色の玉ねぎ型、イシザワは紫の山型という出で立ちの宇宙人です。
またカメラマンなどスタッフも宇宙人の姿で撮影に臨み、西暦は全て「地球歴」で表記。通貨の価値については「地球の一般的な労働者が○○年働いた分の賃金」と表現するなど、細部まで設定に忠実に番組は制作されています。
「ゴッホの絵あまり上手くない」「茶の湯のルールややこしい」
滅亡した人類の地球文明を宇宙人が取り上げるという一種の悪ふざけのような演出がこの番組の最大の魅力。スタッフは制作統括に水高満さん、構成に海老克哉さん、プロデューサーに稲葉友紀子さんなど、「チコちゃんに叱られる!」製作チームのメンバーが名前を連ねています。
ただし『チコちゃん』は身近な知らないことを扱い、『新銀河紀行』 は普段関わらないけど疑問に思うことを探るなど、テーマに区別が見られ、両番組はかぶることなく棲み分けられているようです。
「チコちゃん」の製作スタッフが名前を連ねていることもあって「宇宙人から見てあまり上手いと思えないゴッホの『ひまわり』」とゴッホの名画を批判したり、「『茶の湯』を水分とカテキンの摂取にややこしいルールを設けた」のように茶の湯を「ややこしい」と表現するなど、毒の効いた演出が光ります。
またゴルフを紹介するナレーションでは、「棒で打ったボールを小さな穴に入れてみんなで大騒ぎ」というフレーズも登場。他にも、ゴルフの名言として漫画『プロゴルファー猿』の名言「男には失敗するとわかっていても挑戦しなきゃならんときがあるんや」を引用するシーンは笑いを誘います。
笑わせながらもしっかり解説、NHKらしい教養番組
悪ふざけもありますが『新銀河紀行』の本質は教養番組。そのため、「ひまわり」の魅力について、「ゴッホの湧き上がる感情を強烈な黄色に込め、自らの感情を表すために不均衡なデコボコにしたとみられている。高額になったのは、手紙でゴッホの壮絶な人生を人々が知ったからだった」と、素朴な疑問に対して、非常にわかりやすい解説が加えられます。
また「茶の湯」についても、「千利休は狭い部屋の中で心を通わせ合う特別な時間を作り、武士の心にやすらぎを与えたとみられている。茶碗を回すのは、正面を避けて亭主を敬う気持ちを指して、回し飲みは全員の心を一つにする意味合いがあった」と、作法の意味についても詳しく解説。
コントのような演出で笑わせつつも、専門的な解説で疑問に答えて締めくくるという、バラエティと教養番組のエッセンスを上手く融合した番組に仕上がっています。
『新銀河紀行』の攻めた演出に「泣けてくる」の声
『新銀河紀行』は、地球文明が滅んだという設定もあり、VTRのBGMとして『宇宙戦艦ヤマト』の「無限に広がる大宇宙」が使用されました。
ネット上では、このBGMを聴いた人から「ヤマトのBGMで泣けてくる…(嬉しい)#新銀河紀行」「新銀河紀行、赤茶けた地球をバックにヤマトの例の『アーアーアー』とか流して攻めるにも程がある」「きっと、いや絶対に各局にヤマトが好きな人がいるよね」などの声が上がりました。
宇宙人目線という斬新な設定に驚かれた方も多かったようですね。BGMは『宇宙戦艦ヤマト』だったり、『プロゴルファー猿』の名言を引用したりする演出も面白かったのではないでしょうか。
(文:かんだがわのぞみ)