4月23日からスタートしたTBS系日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』。主演の福山雅治さんが全盲のアメリカ連邦捜査局・FBI特別捜査官の皆実広見を演じ、その名言などが話題になっています。
(画像:AFP=時事)
■第一話からフラグ?絶妙な人たらしと名ゼリフ!今期バズるドラマは福山雅治『ラストマン』かもしれない
いよいよこの後21時から。1秒たりとも見逃せないエンターテインメント作品『ラストマン』始まります。福@LASTMAN_tbs #ラストマン #BROS1991 pic.twitter.com/UHqkGdU0ia
— 福山雅治 (@BROS_1991) April 23, 2023
福山雅治さんが演じるのは全盲のFBI捜査官・皆実広見。アメリカでは事件を必ず解決する切り札として活躍し「ラストマン」と呼ばれる優秀な捜査官です。
期間限定でアメリカから来た捜査官、しかも全盲ということもあり、日本の警察署内では腫物扱いをされる皆実。その彼とバディを組むのは、警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(大泉洋さん)でした。護道は犯人検挙のために手段を選ばず掟破りもやってしまうことから、皆実が護道を指名したそう。この二人がどんな物語を繰り広げるのか……。
劇中では、皆実の絶妙な人たらしな性格から出る名言が話題に。観ているとハッとさせられる言葉があらゆるところに散りばめられていました。
■もしやフラグ?良いバディになる予感しかない!
ここからはネタバレを含みますのでご注意ください。
全盲でラストマンと呼ばれるほど捜査官として優秀な皆実。目が見えない彼が犯人を検挙することに何故長けているのか。それは本人の努力もさることながら聴覚や臭覚が人より優れていることがその秘密なのだとか。
冒頭、護道と初めて出会うシーンでも靴音や香りで護道だと当て、護道が喋ると「怒ってますね。表情よりも声色を隠す方が誤魔化す方が難しいんです」と、その推理力を披露。皆実の言葉が鼻についたようで、護道はあからさまに怪訝な表情に。
護道の目には、移動にヘリコプターを使うなどド派手な演出を好む皆実が好き勝手しているように見えていました。そんなこんながあり、護道は「お別れする日が楽しみです」と、初日なのにも関わらず皆実に向かって毒を吐きます。
さて、護道が吐いたこの台詞はフラグでしょうか。今は上手くかみ合わない二人でも結果的に良いバディになる伏線にしか見えません。しかも第一話にして、この台詞が後々効いてくるのです。
■皆実が働く私たちに教えてくれること「周りの人たちが一緒に働こうと思ってくれるかどうか、それだけなんです」
まず皆実は、認められるには結果を出すことが必要だと理解していました。さらに、皆実は、人を惹きつけるためには結果にこだわるだけでなく“感謝”も必要だということも知っていたのです。
自分でやれることは最新のAI技術などを駆使する皆実。捜査資料などもそれらの技術を使い頭に入れ込んだところで、捜査資料を作ってくれた人物・捜査一課の刑事の佐久良円花(吉田羊さん)への感謝や褒めることを忘れません。
彼女は男性が多い警察の中で検挙率が高い女性刑事。皆実は佐久良から敵視されていると感じつつも、敬意を示すのです。これは、人間関係を上手く保つために忘れてはいけないこと。抜かりない配慮です。
ただ、皆実は周囲から「足手まとい」と思われていることを感じ取ります。護道の言動からもそれを察すると「社会のために自分の力を使いたい。昔と比べれば、テクノロジーの力によって多少は自由に動けるようになりました。あとは、周りの人たちが一緒に働こうと思ってくれるかどうか、それだけなんです」と伝える皆実。「お願いします、助けてください」と素直な言葉で護道に協力を求めるのでした。
この姿に、ネット上では「一緒に働きたいと思ってくれるかどうかってところに今までの苦労を感じる」「ありがとうと助けてが言える皆実さんは強いね」「一緒に働こうと周りに思ってもらうこと。さらっとできない事を周りにお願いできる皆実さんかっこいい」など、皆実の台詞が刺さったという視聴者が多かったようです。
■護道、皆実を“見る目”が変わっていた
昨日は#ラストマン 第1話をご覧いただき、
ありがとうございました‼1話ゲストの#宮沢氷魚さん、#草川拓弥さんのオフショット📷
ドラマでは2人とも悪いヤツでしたが、
実際はチャーミングなお2人でした💕そしてそして、本日は宮沢氷魚さんのお誕生日🎂🎉
おめでとうございます㊗️㊗️👏 pic.twitter.com/isW1a77QSb— 日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』2話4月30日放送15分枠大 (@LASTMAN_tbs) April 24, 2023
そして、皆実の「目」となり、状況を伝えるのは分析官の吾妻ゆうき(今田美桜さん)。細かいところは割愛しますが、捜査中に吾妻が「すみません、指示が下手で」と委縮してしまう場面では「我妻さんと繋がっているだけで私はとても安心です」と、彼女の仕事の大切さを訴え、感謝する様子も。
「分析力がある」だけではない皆実の人柄を身近で見た護道。共に捜査し、犯人を捕らえるシーンでは、爆発物を作っていた渋谷英輔(宮沢氷魚さん)が皆実に銃を向け状況は緊迫します。
上層部は皆実に何かがあってはFBIに顔が立たないと、犯人を撃つよう護道に命じますが、護道は「皆実捜査官もマル被(=被疑者)を制圧する力を持ってると思います」と命令に背きます。
そして、皆実は目が見えないため犯人確保は無理だと考えていた上層部に対し「そんなこと関係ないんですよ。あの人には」と諭す護道。偏見を捨て、良いバディになる第一歩を歩むために必要な「認める」「信じる」姿勢を見せるのでした。
■全盲の皆実が伝えたかったこと「世の中には不必要な人間なんていないんです」
無事に犯人を確保した後にも、皆実は名言を残します。社会的弱者だったことが犯行の動機となった被疑者に対し「たしかに今の社会は弱い人は要らないという考え方です。でも、排除された人たちにもやれることはあります」と語りかけ、周囲の助けを借りる大切さを訴える皆実。「世の中には不必要な人間なんていないんです」とのメッセージを残しました。
皆実の熱い言葉に、ネット上では「皆実捜査官の言葉に胸が熱くなりました」「弱い人は要らないという社会…それを目が見えないひとに言わせるのすごい」「福山と宮沢氷魚の掛け合いのところが特に素晴らしかった。イジメ、社会的排除にヤングケアラーを取り上げてきたか」などのコメントが上がっています。
第一話にしてズッシリと心に響く言葉を届けた『ラストマン-全盲の捜査官-』。実は、この脚本を務めたのは、嵐・二宮和也さんが主演を務めたドラマ『マイファミリー』(TBS系)や、オペ室を搭載した大型車両=ERカーで事故や災害現場に駆け付けるドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)などの話題作を世に放った黒岩勉さん。
黒岩さんは、ほかにも、戸田恵梨香さん・松田翔太さんが主演を務めた『LIAR GAME Season 2』(フジテレビ系)や、櫻井翔さんが執事役、北川景子さんがご令嬢の刑事を演じた『謎解きはディナーのあとで』など、放送から時間が経過した今でもファンが多いドラマを多数手がけています。
『ラストマン-全盲の捜査官-』は、出演者が豪華なのはもちろん、脚本も手堅い人物が手がけているため面白くないわけがないのです。
今回は皆実の台詞から、どれだけ自分が偏見を持っていたのか思い知らされたという人もいたのではないでしょうか。
護道の「お別れする日が楽しみです」の言葉もきっと伏線。二人がどんなバディになって信頼を築いていくのか、これからが楽しみですね。
【番組情報】
ラストマンー全盲の捜査官ー
https://tver.jp/lp/episodes/epvfa1b30s
(文:霧島みつき/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)