11月12日放送の「ワルイコあつまれ」(NHK Eテレ)では、作詞家の松本隆さんが出演。松本さんは「赤いスイートピー」の歌詞に込めた意味を明かし話題を集めました。
(画像:時事通信フォト)
■松田聖子『赤いスイートピー』に出てくる“岸辺”の意味が深い!松本隆の解説に草彅剛が絶叫
来週のワルイコあつまれは?
・『昭和歌謡合唱団』作詞家・松本隆先生が登場!
・『稚語俳句』今回のお題はカタカナ4文字です
・『ヨネキンch』大好評企画“偉人のお墓紹介”#ワルイコあつまれ pic.twitter.com/Xy6jeOThgD— ワルイコあつまれ (@nhk_waruiko) November 5, 2022
草彅剛さんが指揮者の草滝廉太郎さんとして進行を務める「昭和歌謡合唱団」では、松本隆さんがゲストとして登場。
松田聖子さんが歌った「赤いスイートピー」を取り上げました。
この曲は松本さんが作詞、松任谷由実さんが呉田軽穂名義で作曲を務めています。
冒頭の歌詞について、子供達から「煙草の匂いのシャツは臭そうなのにどうして寄り添うんですか?」と質問が寄せられます。
すると、松本さんは「時代なんですよね。80年代の頭ですから男の人は7割ぐらい吸ってたんですね。煙草の匂いが嫌いな人もいるじゃないですか、一番嫌いな匂いでも好きな人が着ていれば良い匂いって」と歌詞に込めた意味を明かします。
この話を聞いた草彅さんは思わず「草滝、マーベラス!」とコメント。
さらに、サビで使われている肝となるキーワードについて子供達から「心の岸辺はどこにありますか?考えたけど見つかりませんでした。私の心にもありますか?」と質問が。
すると、松本さんは「ラブソングだから愛がテーマじゃないですか。愛は男と女がいて間に川みたいなものがあるんです。その川の岸辺に赤いスイートピーが咲いている。誰の心にも川が流れていてそれが愛なんですね」と歌詞の意味を解説。
また、歌詞に出てくる男性が時計を見るたび主人公である女性が泣きそうな気分になるのかについても詳しい話が語られます。
松本さんは「ラブソングだから心の動きを書きたいんです。心って動くんですよ。時計をチラッと見るって事は次の予定がある。女の子はずっといっしょにいたいのに、男の子は時計気にしてるぐらい帰る時間を気にしてる。そこでズレるわけじゃない心が、それを描いてあげるとちょっと切なくなる」と、この描写では女性側の切なさを表現したかったことを明かしました。
■草彅剛が松本隆に聞きたかった事とは?
続けて、草彅さんが2番のサビで「ようやくストレートに『好きよ』という言葉が出てくる」とラブソングの主題である「好き」という言葉が2番まで出てこなかったことについてどんな意味があるのか尋ねます。
すると、松本さんは「この人はねずっと好きなんだけど、本音を言わないで周りを埋めていってるんです。」と、それまでの描写で「そういうディティールを積み上げてる」と解説。
そして「最後に『好きよ』って止めを刺す。手順を色々踏んでるんですよ。ずっと我慢して…ここで『好きよ』って最後に言うからこの『好きよ』が生きてくる」と、それまでの描写で積み上げたものがあってこそ、最後の「好きよ」が生かされるというテクニック面の工夫を解説。
一連の話を聞いた草彅さんは思わず「松本マジック!マーベラス!」と絶叫しました。
また、草彅さんが「詞を書く時に一番大切にしている事は何でしょうか?」と尋ねると、松本さんは「やっぱり生きててすごくリアルに感じる事が好きですね」と答えて締め括りました。
今回の放送にはネット上で「松本マジック、マーベラス、人間のリアルを歌詞に子どもたちが歌うとまた違う情景が流れるステキ」「ずっと我慢してきて我慢してきての最後に好きよ松本マジック素晴らしい」「松本マジック!!松本隆先生すてきだなー」などのコメントが上がっています。
草彅さんも「松本マジック!マーベラス!」と感嘆の声をあげていましたが、「好きよ」を際立たせるための手法が松本さん本人から解説されたのは貴重だったのではないでしょうか。
(文:かんだがわのぞみ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)