12月25日放送の「SWITCHインタビュー達人達」(NHK Eテレ)では、俳優の青木崇高さんと絵本作家の田島征三さんが登場。2人が対談する中で青木さんが「るろうに剣心」シリーズで演じた相楽左之助役に思わぬ反響があった事を明かし話題を集めました。
(画像:時事通信フォト)
■青木崇高、理想の演技を明かす
青)自分のことを極端にいうと、役者とか俳優って思わない部分もあるんです。本質から実は遠くなってしまうんじゃないかって。
田)僕らの仕事でも、プロや専門家になってしまうとなんか面白くない。自分が"今はこれがやりたいんだ"ということをやってると面白くなるよね。#青木崇高 × #田島征三 pic.twitter.com/PUkdysOiBQ
— NHKスイッチインタビュー (@nhk_switch) December 25, 2021
22歳で俳優デビューを飾った青木崇高さん。それから5年後の2007年にはNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で落語家役を演じて知名度を上げました。
今回の番組で、青木さんは理想の演技について「テクニックをすごい持ってらっしゃる方ってたくさんいますし、すごい方は本当にたくさんいらっしゃるんですけど…。僕はすごい好きなのはあまりテクニック持ってなくても、何かこう…残るなっていうような」と語ります。
続けて、青木さんは「僕もテクニックがより必要だなって思ったりするんですけど、その根幹というか…。もってる人間が出せるものってきっとあるって思いますし、それこそ芝居始めた頃とかは本当に別人になって演技をしようみたいなのを思ってたんですけど、いやこれは無理だなって思ってる自分も生まれ始めて」と過去に抱いた葛藤を明かします。
さらに「相当難しいというか結局はこの声と体使って眼差しだったりとか使っている以上、自分の中の存在をちゃんと丁寧に作ればちゃんとそこれでは成り立つんじゃないかなとか…。何かやっぱり画面とかスクリーンを通してでも、その人の魂は分かる人には絶対分かるじゃないですか気持ちとか」という青木さん。
演じる中で「すごいこう悲しい気持ちとか、悲しいのを押し殺してる気持ちとか、そういったものが僕はきっと届くと信じてる部分があるんで、そこはずらしたくないっていうのはありますかね」と大切にしていることを熱弁しました。
■『るろ剣』相楽左之助が不登校児童を救った!?青木崇高も号泣した教師からの手紙とは…
大ヒットした映画「るろうに剣心」シリーズに第1作から出演している青木さん。劇中で演じた相楽左之助について、青木さんは「『るろうに剣心』っていう映画で、ずっと続いてたこの間終わったやつなんですけど…。結構元気なというか、快活な直情型の何かあったらバ~っていって、仲間が大切でみたいなそういう豪快な男の役をずっとやってたんですけど」と振り返ります。
続けて、青木さんは「お手紙を頂いて、小学校の先生ですかね、小学校低学年の子が不登校だったんですけど、その映画を見て、僕のキャラクターを見て『学校に頑張って行く』って言いだすようになったという」と話すと、田島さんは「すごいじゃん」と感嘆の声をあげました。
「それをもらった時にブワッて泣いちゃって」という青木さん。続けて「何か自分の向き合ってるそういう作品って、演じる事に精いっぱいでその瞬間に入れ込んでるというか。なので、そのあとっていう事であんまり考えてなかったりするんですけど、やっぱりこの作ってるっていう事はそうだよなって、だって届けるために作っている部分ももちろんあって」とコメント。
さらに「この現場っていうのはそのために、人に伝えるために関わっているんだってなっていうのを改めて…。改めて、創作をしているんだなって思いましたし、だからこそ自分のくよくよしたりだとか、ちょっと何か…創作から逃げようとする自分には『待てよ!』と。楽しみにしてくれる人も少なからずいるかもしれないとかって思えば、創作にちゃんとそれを還元しようっていう気持ちにはなりますね」と演技に向き合う姿勢が変わった事を明かしました。
■青木崇高のエピソードに「素敵だった」の声
今回の放送について、ネット上では「青木崇高さんと田島征三さんのSWITCHめっちゃよかった」「『達×達』、わたしが世界一大好きな絵本作家の田島征三先生と青木崇高さん。すごくいい。すごくすごくいい」「青木崇高の『るろ剣』の話が素敵だった!」などのコメントが上がっています。
不登校の子が「るろうに剣心」を見て学校に行くようになったと知り、嬉しそうにしていた青木さん。彼が物語を通して表現する世界観は老若男女を問わず愛されることがよく分かるエピソードだったのではないでしょうか。
(文:かんだがわのぞみ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)