TBS系日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」で、いまだ真意が見えない長野利彦(小日向文世さん)。
第17話では、シンシーに拘束された別班員・熊谷一輝(西山潤さん)について、「エリシャの任務で一緒だった」と明かし、乃木憂助(堺雅人さん)に仲間を助けるよう強く訴えました。
その言葉に背中を押された乃木は、第18話でノコル(二宮和也さん)らテントの協力を得て、黒須駿(松坂桃李さん)ら別班員5人の奪還へと動き始めます。
しかし、編集部が実施した『VIVANT』考察アンケートには、長野の「エリシャの任務で一緒だった」という一言そのものを疑う考察が寄せられました。
もし長野が嘘をついていたとしても、乃木がそれに気づかないとは考えにくい。
だとすれば――。
長野と乃木は、お互いに何かを分かったうえで“別班員救出”という大掛かりな作戦を進めているのではないでしょうか。
そして、その裏にある本当の標的は、“奇跡の少女”ジャミーンなのかもしれません。

(画像:時事)
※以下、第18話までのネタバレと第19話予告の内容を含みます。
■長野の「エリシャの任務で一緒だった」に時系列の違和感
第17話で長野は、熊谷について、
「エリシャの任務で一緒だった」
という趣旨の話をしています。
長野自身も、核融合研究者エリシャ・ママドフを捜索する任務に就いていたことを明かしました。
しかし、ここに時系列の違和感があるとの指摘が出ています。
第11話で映し出された熊谷のプロフィールでは、別班への配属時期が2021年と読み取れる一方、エリシャをめぐっては2015年から2016年にかけて研究の隠蔽、捜索、死亡報道、生存確認といった大きな出来事が起きています。
もし長野が言う「エリシャの任務」が当時の捜索を指しているのであれば、熊谷と一緒だったという説明にはズレが生じます。
もちろん、2021年以降にもエリシャを追う別の任務が存在していた可能性はあります。
そのため、これだけで長野が嘘をついていると断定することはできません。
それでも、わざわざ長野に「熊谷とはエリシャの任務で一緒だった」と語らせた以上、この一言が気になるところです。
■でも、乃木がその“嘘”に気づかない?
仮に長野の発言が嘘だったとしましょう。
そこで次に生まれるのが、
「乃木がそんな矛盾に気づかないだろうか」「気づかないわけない」
という疑問です。
乃木は別班員として、情報の真偽や人物の言動を冷静に分析してきた人物。
エリシャについても詳しく調べています。
熊谷の経歴も把握しているはずです。
そんな乃木が、長野の話を何の疑いもなく信じ、そのまま海外へ向かうでしょうか。
むしろ、
「長野が嘘をついている」
と分かったうえで、あえて話に乗った可能性も考えられます。
だとすれば、第17話から第18話にかけて描かれた別班員救出作戦の裏では、長野と乃木それぞれが別の思惑を抱えて動いていることになります。
■長野の本当の目的は「乃木を日本から出すこと」?
ここで今回の考察は、一気に大胆になります。
長野が乃木を説得し、テントまで巻き込んだ理由。
それは本当に黒須たちを助けたいからだけなのでしょうか。
結果として乃木は、日本を離れて国外へ向かいました。
もし長野の本当の目的が、
「乃木を日本から遠ざけること」
だったとしたらどうでしょうか。
乃木が海外にいる間なら、日本国内で何かを実行しても邪魔されにくい。
しかも乃木は、黒須たちを救うという極めて重要な任務に集中しています。
容易には日本へ戻れません。
では、乃木がいない間に長野が動く必要のある人物とは誰なのでしょうか。
■狙いは“奇跡の少女”ジャミーン?
そこで浮かび上がるのがジャミーンです。
ジャミーンは、人の善悪を直感的に見抜く不思議な能力を持ち、第17話ではその力によって公安内部のシンシー関係者を絞り込む重要な役割を果たしました。飯田和孝プロデューサーも第18話直前の解説で、ジャミーンを“奇跡の少女”として取り上げています。
そして現在、もうひとつ大きな謎として残っているのが、エリシャがシンシー側に提示している“条件”です。
エリシャは核融合を持続させる革新的な技術を生み出したものの、その技術が急速に実用化されれば資源国などが大きな打撃を受け、世界のバランスが崩れることを危惧して研究成果を隠したとされています。
つまりエリシャは、単に技術を高く売りたい人物ではありません。
「この技術を世に出して本当にいいのか」
という問題そのものを抱えている人物です。
■エリシャはジャミーンに“判断”させたい?
もし、エリシャがシンシーに求めている「テントに関する何か」が、実はジャミーンだったとしたらどうでしょうか。
エリシャが恐れているのは、自分の技術が悪意を持った国家や人物に利用され、世界を混乱に陥れること。
一方、ジャミーンには、人の善悪を見抜く力があるとされています。
そこで今回の考察では、
「エリシャは、自分の技術を誰に託すべきなのかをジャミーンに判断してもらおうとしているのではないか」
という可能性を考えます。
莫大な富や軍事力を持つ人物でもない。
世界的な科学者でもない。
最終的な判断を託したい相手が、“人の本質を見抜く少女”だった――。
そう考えると、シンシーがテントについて執拗に調べている理由や、「孤児院」という言葉に反応したことにもつながってきます。
もちろん、現時点でエリシャの求める人物がジャミーンだと確定しているわけではありません。
しかし、第18話終了時点でも「エリシャの条件となる人物」は明らかにされていません。
■第19話予告で薫が口を塞がれている
そして、この説を一気に不穏なものにしたのが、第18話放送後に公開された第19話の予告です。
映像には、柚木薫(二階堂ふみさん)が何者かに口を塞がれるような姿と、不安そうなジャミーンの姿が映っています。
このカットから、薫とジャミーンが何者かに連れ去られるのではないかという考察が広がっています。
もし本当にジャミーンが狙われているのであれば、タイミングも意味深です。
乃木は別班員奪還のため日本を離れている。
ジャミーンを守る最大の存在の一人が、国内にいない状況です。
これが偶然なのでしょうか。
■でも乃木は、そこまで見越している?
ここで再び乃木へ戻ります。
長野が嘘をついていることに乃木が気づいていたとすれば、
「自分を国外へ出したあと、何かが起きる」
というところまで警戒していても不思議ではありません。
特に乃木にとって、薫とジャミーンは極めて大切な存在です。
危険が迫る可能性を感じながら、何の対策もせず日本を離れるとは考えにくいところ。
だとすれば、予告で描かれた薫の“連れ去り”のような場面も、必ずしも敵による誘拐とは限りません。
乃木が先回りし、
「自分が国外へ出ている間、薫とジャミーンを安全な場所へ移す」
手筈を整えていた可能性もあります。
口を塞がれているのも、周囲に悟られない形で強制的に避難させている場面という可能性まで考えられます。
■薫とジャミーンを“逃がす芝居”だった?
『VIVANT』では、第18話で新庄浩太郎(竜星涼さん)が死亡したと思われていた一件そのものが、乃木による偽装工作だったことが明らかになりました。
敵だけでなく、味方や視聴者にまで「死んだ」「捕まった」と思わせる。
そんな作戦を乃木が実際に使っている以上、薫とジャミーンについても同じ手法を取っていても不思議ではありません。
予告だけを見れば「拉致された」と感じる。
しかし本編では、
「実は乃木が用意した保護だった」
とひっくり返る可能性もあります。
もしそうなら、乃木は長野よりさらに一手先を読んでいたことになります。
■第18話、乃木がアリに渡した“長野の名刺”
そして、もうひとつ見逃せない場面があります。
第18話で乃木は、バルカを離れる前にアリ(山中崇さん)へ長野の名刺を渡しました。
「自分に何かあった場合はここへ連絡してほしい」という趣旨で、長野を丸菱商事側の相談先として紹介しています。
この場面については放送直後から、「なぜわざわざ長野の名刺を渡したのか」と注目が集まっています。
今回の考察では、これすら乃木による“仕掛け”ではないかと考えます。
■名刺は「連絡先」ではなく罠?
もし乃木が長野を完全には信用していないとしたら。
アリと長野をあえてつなげること自体が、長野の動きを探るための作戦という可能性があります。
たとえば、名刺に記載された連絡先へアリや第三者がアクセスした時点で、
「誰が長野へ接触したのか」
「どこから通信しているのか」
を太田梨歩=ブルーウォーカー側で追跡できるよう、事前に仕掛けていたとしたら――。
長野が誰とつながっているのかを炙り出す“餌”になります。
もちろん現時点で、名刺や連絡先に追跡の仕掛けがあることを示す描写はありません。
ただ、乃木が長野に疑いを持っているという前提に立てば、あえてアリに長野の名刺を渡した不自然さにも別の意味が生まれてきます。
■長野も乃木も“相手が嘘をついている”と分かっている?
ここまで考えると、長野と乃木の関係は単純な「味方」「裏切り者」ではなくなります。
長野は、乃木を国外へ向かわせたい。
乃木は、その意図に気づいている。
しかし黒須たちを助けたいという目的もあるため、あえて長野の思惑に乗る。
その一方で、日本に残す薫とジャミーンには別の保護策を用意する。
さらにアリへ長野の名刺を渡し、長野側の動きを追跡できるようにしておく。
もしここまでがお互いの“読み合い”だったとすれば、第17話での感動的な会話さえ、まったく違って見えてきます。
■本当の争奪戦は「ジャミーン」をめぐって始まる?
現在、表面上で動いているのは黒須たち別班員5人の奪還作戦です。
しかし、その裏では、
エリシャの核融合技術。
シンシーが探しているテントの情報。
人の善悪を見抜くジャミーン。
そして、乃木を国外へ送り出した長野。
これらが同時に動いています。
もしエリシャが核融合技術を託す相手をジャミーンに判断させようとしているのであれば、ジャミーンは単なる“奇跡の少女”ではありません。
世界のエネルギー秩序を左右する技術の行方を決める、最重要人物になります。
だからシンシーが欲しがる。
長野も動く。
そして乃木は、それを読んで先回りする。
そんな構図まで考えることができます。
もちろん、現時点では多くの部分が考察です。
しかし、「熊谷とはエリシャの任務で一緒だった」という長野の一言に時系列のズレがあるとすれば、それは単なる脚本上のミスなのでしょうか。
それとも、乃木も気づいている“嘘”なのでしょうか。
そして第19話予告で危機にさらされているように見える薫とジャミーンは、本当に敵に捕まったのでしょうか。
長野と乃木。
どちらが一枚上手なのか。
その答えが明らかになったとき、黒須たちの奪還作戦とは別に進んでいた“もうひとつの作戦”が姿を現すのかもしれません。
編集部では、ドラマの今後の展開や伏線について、みなさんの考察を募集しています。
小さな違和感や気づき、思いついた説でも大歓迎です。
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※情報は掲載時点のものです
<調査・文・編集:COCONUTS編集部>
