初めてブラックホールを撮影した事がメディアを賑わせる中、このプロジェクトで日本代表を務めた国立天文台の本間希樹(まれき)教授が14日放送の「ワイドナショー」に出演。わかりやすい解説と親しみやすい人柄が絶賛されています。
本間希樹教授が「ワイドナショー」に登場
イベント・ホライズン・テレスコープ(#EHT)による #ブラックホール の撮影に関する、 #国立天文台 本間希樹教授のインタビュー。 https://t.co/7KrBEDSYtX#国立天文台 のプレスキット映像ページには本研究に関する様々な動画を掲載しています。https://t.co/EVTi54sZ17 pic.twitter.com/Y2HLz42z85
— 国立天文台 (@prcnaoj) 2019年4月11日
物理学者アインシュタインが一般相対性理論で予言した事で知られるブラックホール。その撮影に人類が初めて成功した事が話題を集めています。この国際プロジェクトの日本代表を務めた国立天文台の本間希樹教授が「ワイドナショー」に登場しました。
8つの電波望遠鏡を連携させ、200人ものサイエンティストが協力した結果達成した今回の偉業ですが、一般人にはわかりにくいところもあります。そこで、東野幸治さんが「小学生低学年でもわかる説明でお願いします」と頼むと、本間教授は「ブラックホールは一言で言うと凄い奴」といきなりユーモアセンスを発揮しました。
まさかの答えに松本人志さんら出演陣からもツッコミが入れられるなか、本間教授はブラックホールは「重力が強いので光も物質も飲み込まれ、真ん中でつぶれてしまう、落とし穴だと言っていいんじゃないですか」と専門的な解説を加えていきます。本間教授によると、「ブラックホールの中に入ったものは、中がどうなっているかわからないが、出てこられなくなります」とのこと。「ブラックホールがあると地球を含めてあるゆる物質が吸い込まれるのでは」と質問が飛ぶと、「ブラックホール自体は小さな天体」という事もあって「宇宙を全て吸い込む事はない」と説明します。
ブラックホールにゴミは捨てられるの?松本人志が提案
さらに本間教授は、ブラックホールは今回の画像のものだけでなく、宇宙にはいくつもあると語り、近くでいうと私達地球人が住む天の川銀河の真ん中にもブラックホールがあるとのこと。そうすると地球もブラックホールに吸い込まれる心配がありそうですが、地球から3000万光年離れているのでその可能性は低いそうです。
この話を聞いて松本人志さんが核廃棄物など地球で処理に困るゴミを「ブラックホールに捨てる事は可能ですか?」と本間教授に質問。面白い話だと松本さんの質問に興味を抱いた本間教授は近くにあればゴミを捨てる事は可能だと話します。さらに、“ブラックホール発電所”という表現でブラックホールにゴミを捨てると、その物質は熱を出すので、発電する事も理論上は可能で、ゴミを捨てる以外のブラックホールの有効活用の可能性にも言及しました。
ブラックホールと"大福"に例えて解説
続けて本間教授は今回発表されたブラックホールの静止画についても解説。本間教授によると、入ったら出てこられないと語る真ん中の暗い穴がブラックホールで、光すら出てこないブラックホールの性質を写真にしたものと説明。ここで疑問なのはブラックホールの周りで光るものの存在。本間教授は大福を例に中のアンコをブラックホール、アンコを包む薄皮をブラックホールの周りに巻きつく光だとわかりやすい言葉で解説を加えます。
アインシュタインの予想が証明され「ガッツポーズだった」
また、今回のブラックホールの撮影が成功した時の心境については、アインシュタインが約100年前に予想したことが、正しかった事が証明され「ガッツポーズだった」と感動を口にします。ここで、アインシュタインの相対性理論を「素人でもわかりやすく説明して下さい」とリクエストされると「時空は歪む」と答える本間教授。
松本さんから、「タイムスリップ」の可能性についての質問が続き、本間教授は「理論上できるという人」はいるものの、実際に「タイムスリップ」の可能性は極めて低いと見解を述べます。一方で、宇宙人については「ほとんど間違いなくいると思っています」とコメント。最後は、ブラックホールを今度は動画にしたい、ブラックホールを解明することが宇宙の始まりを解明することにつながるかもしれないと今後の目標について語り最後をまとめました。
本間教授のわかりやすいブラックホール講座に絶賛の声
ネットでは、放送を見た人から、「ワイドナショーでの本間教授のブラックホールのお話めちゃくちゃおもしろかった!もっと聞いてたかったわぁ」「ワイドナショーの本間教授のお話ほんと面白かったなー。もっと聞きたかった」。「ワイドナショーの本間教授によるブラックホール講座がめちゃくちゃ面白い!宇宙!」などの声があがっていました。本間教授の説明は本当にわかりやすく、勉強になるものと感じた人が多かったようです。ちなみに、他にも今回のプロジェクトチームでは、みんなが専門家として自分の意見を言い合うためしょっちゅうケンカをしている事や、ホワイトホールの話なども語られ非常に興味深い放送回となっていました。(文:かんだがわのぞみ)