TBS系日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」第2シーズン第1話にあたる第11話で描かれた、黒須駿(松坂桃李さん)の拉致シーン。
黒須は乃木憂助(堺雅人さん)から託された「守り刀」を手に襲撃者たちと激しい戦闘を繰り広げ、最後には拘束されてしまいました。
一見すれば、黒須がシンシー側に襲撃され、必死に抵抗した末に連れ去られた場面です。
しかし、編集部が実施した『VIVANT』考察アンケートには、このわずかな戦闘シーンを「10回以上見返した」という投稿者から、気になる考察が寄せられました。
「やっぱり、黒須の拉致シーンはおかしいのではないか」
注目したのは、ほんの一瞬だけ映る襲撃者の“腕”です。
そして、その場面を起点に見直してみると、乃木の反応、守り刀を黒須に託した意味、その後まったく触れられなくなった守り刀の行方まで、次々と気になる点が浮かんできます。

(画像:時事)
※以下、第18話までのネタバレを含みます。
■10回以上見返しても「やっぱりおかしい」?
今回の考察で注目されたのは、黒須が守り刀を使って襲撃者たちと戦う場面です。
激しい乱闘の中、黒須は刀を振るい、工作員の一人を攻撃。
その後、襲撃者の腕には、かなり深刻なダメージを受けたような描写があります。
腕が大きく傷つき、ぶら下がるようにも見えるほどの状態です。
普通に見れば、
「守り刀のすさまじい切れ味を見せるための描写」
と受け取るところでしょう。
しかし、投稿者はこの数秒ほどの場面を何度も見返したといいます。
そこで感じたのが、
「黒須は、本当にその位置を切った?」
という違和感でした。
■黒須が切りつけた場所と“傷”が合わない?
戦闘シーンは非常に短く、人物も激しく動いているため、どこに刀が当たったのかを正確に判断するのは簡単ではありません。
そのため、映像だけで「傷の位置が絶対に違う」と断定することはできません。
それでも、何度も見返してみると、黒須が刀を当てたように見える位置と、その直後に映る襲撃者の腕の状態が、どうもきれいにつながらない――というのが今回の考察です。
もし本当にそうだとすれば、単なるアクション上の見え方なのでしょうか。
それとも、
「黒須が守り刀で襲撃者を斬った」
と視聴者に思わせること自体に意味があったのでしょうか。
ここで、以前から残されている別の疑問につながります。
■そもそも「守り刀」は本当に切れる刀だった?
乃木は第1シーズンの終盤、乃木家に伝わる大切な守り刀を黒須へ託しました。
乃木自身のルーツにもつながる、重要な品です。
だからこそ、なぜそれほど大切な刀を黒須に預けたのかという疑問は以前から残っています。
単に大切に保管してほしいだけなら、ほかの方法もあったはずです。
今回の考察では、さらに大胆に、
「黒須に渡された守り刀は、本物ではなかったのではないか」
という可能性を考えます。
本物そっくりの別物。
あるいは、刃がついていない、もしくはすでに切れ味を失った“なまくら”だった。
乃木は黒須を何らかの理由で疑っていて、その行動を確かめるために、あえてフェイクの守り刀を託したのではないかというのです。
■切れない刀なら、あの“負傷”はどう説明する?
もし黒須が持っていた守り刀が実際には切れないものだったとすれば、当然大きな疑問が生まれます。
なぜ襲撃者の腕は、あれほど深く傷ついたように見えたのでしょうか。
ここで今回の説は、
「最初から負傷したように見せる芝居だったのではないか」
と踏み込みます。
黒須と襲撃者が本当に敵同士だったのではなく、互いに段取りを分かったうえで戦っていた。
監視カメラ越しに映像を見る乃木たちに、
「黒須は本気で襲撃者と戦っている」
と思わせるための芝居だったとしたら――。
守り刀で斬ったように見える瞬間と、その後の傷の位置が少し不自然に感じられることにも、ひとつの説明がつきます。
もちろん、かなり大胆な仮説です。
■乃木は「守り刀の切れ味」に反応しなかった
そしてもうひとつ気になるのが、その映像を見ている乃木です。
黒須の戦いを確認していた乃木、ノコル(二宮和也さん)、ドラム(富栄ドラム)。
襲撃者の一人が守り刀を手に取ると、ドラムは、
「こいつすげぇ刀だって思ってるよ」
と反応しました。
しかし乃木は、守り刀のすさまじい切れ味について特に反応していません。
乃木家に伝わる大切な刀。
その刀が実戦で使われ、人の腕に大きな傷を負わせるほどの切れ味を見せたのであれば、何らかの反応があってもよさそうです。
ところが乃木は、映像を静かに見つめています。
もし乃木自身が、
「あの刀がそんなに切れるはずはない」
と知っていたとしたら――。
あの無言にも、別の意味が生まれてきます。
■大切な守り刀を奪われても、乃木は反応しない
さらに不思議なのが、その後です。
黒須は拉致され、守り刀も襲撃者側へ渡ってしまいます。
乃木家にとって大切な品を失ったことになります。
ところが乃木は、
「守り刀を取り戻さなければ」
と強く動くこともなければ、奪われたことについて大きく取り乱す様子もありません。
もちろん、黒須を含む別班員5人の命がかかっている状況です。
家宝より仲間の救出を優先するのは当然ともいえます。
それでも気になるのは、
「それなら、そもそもなぜ黒須に預けたのか」
という最初の疑問です。
大切だから黒須に託した。
しかし奪われても特に反応しない。
そして、その後も守り刀についてほとんど話題に上がらない。
この流れには、どこか引っかかるものがあります。
■第11話以降、「守り刀」の話が消えている
守り刀は、第1シーズンでは乃木の出生や乃木家、そしてベキとのつながりにまで関係した象徴的なアイテムでした。
第11話でも黒須の戦闘で大きく取り上げられています。
にもかかわらず、その後は守り刀の行方が物語の中心にほとんど出てきません。
誰が持っているのか。
なぜ乃木は黒須に託したのか。
なぜ工作員がわざわざ刀を確認するカットまで入れたのか。
まだ答えは出ていません。
だからこそ、
「守り刀そのものが、黒須の正体を暴くための伏線なのではないか」
という見方もできそうです。
■乃木は黒須を“試していた”?
もし乃木が以前から黒須に何らかの疑いを持っていたとしたら。
フェイクの守り刀を渡す。
黒須のいる場所を監視カメラで確認する。
そして、黒須がその刀をどう使い、誰と接触するのかを見る。
そんな“テスト”だった可能性も考えられます。
つまり第11話で監視されていたのは、襲撃者だけではない。
乃木は黒須そのものを見ていた――ということになります。
その前提で見ると、襲撃映像を確認している乃木の静かな表情にも違った意味が出てきます。
驚いているのではない。
答え合わせをしている。
そんな見方までできてしまいます。
■でも黒須も監視カメラに気づいていた?
ただし、黒須も一流の別班員です。
乃木が仕掛けた監視カメラの存在に、最後までまったく気づいていなかったのでしょうか。
もし黒須もカメラを把握していたとしたら、話はさらに複雑になります。
乃木は黒須を監視している。
黒須は監視されていることを知っている。
その状態で黒須は、襲撃者と激しく戦い、守り刀を使い、最後には捕らわれる。
だとすれば、あの映像そのものが、
「乃木に見せるための映像」
だった可能性も出てきます。
■黒須の拉致そのものが演技だった?
そこで行き着くのが、以前から浮上している「黒須の拉致は茶番だったのではないか」という説です。
黒須はシンシー側と何らかの形でつながっている。
しかし、そのことを乃木には知られたくない。
そこで監視カメラの前で襲撃されたように装い、激しい戦闘を演じた末に連れ去られる。
「これだけ本気で戦っているのだから、黒須が敵側の人間であるはずがない」
と乃木たちに思わせる。
もしそうなら、あの戦闘シーン自体が黒須にとって最大の“アリバイ”になります。
そして、刀で斬ったはずの場所と傷がどうも合わないように見える、ほんのわずかなワンカット。
そこに、この芝居を見破るヒントが残されていた可能性もあるのでしょうか。
■守り刀は“信頼の証”ではなく罠だった?
もちろん、映像上の一瞬の違和感だけで、黒須が裏切り者だと断定することはできません。
アクションシーンでは、カメラの角度や編集によって実際の動きと傷の位置が違って見えることもあります。
守り刀についても、乃木が単純に黒須を心から信頼していたから託した可能性が十分あります。
それでも、
黒須が切ったように見える位置と襲撃者の傷への違和感。
守り刀の切れ味にほとんど反応しない乃木。
大切な守り刀を奪われても、その後ほとんど話題にしない乃木。
そして、そもそもなぜ守り刀を黒須へ託したのかという未回収の疑問。
これらを重ねていくと、
「乃木は最初から、本物の守り刀を黒須に渡していなかったのではないか」
という説も浮かび上がってきます。
そしてもし乃木が黒須を試していた一方で、黒須も乃木を騙すために“拉致”を演じていたとしたら――。
第11話で描かれたあの数分間は、単なるアクションシーンではなく、乃木と黒須がお互いを欺き合う“二重の芝居”だったことになります。
ほんの一瞬の腕の傷。
たったワンカットの違和感が、この先とんでもない答え合わせにつながるのでしょうか。
編集部では、ドラマの今後の展開や伏線について、みなさんの考察を募集しています。
小さな違和感や気づき、思いついた説でも大歓迎です。
あなたが気になったシーンやセリフと、その理由をぜひ教えてください。
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※情報は掲載時点のものです
<調査・文・編集:COCONUTS編集部>
