TBS系日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」第17話で、乃木憂助(堺雅人さん)と警視庁公安部長・佐野雄太郎(坂東彌十郎さん)が、天才ハッカー“ブルーウォーカー”こと太田梨歩の部屋を訪れる場面が描かれました。
そこで気になったのが、佐野を部屋へ招き入れた方法です。
太田の部屋には、隣の部屋と壁を打ち抜いて作られた“秘密の通路”があります。
本来であれば、できるだけ限られた人物にしか知られたくないはずの仕掛け。それなのに、なぜ乃木たちは公安部長である佐野にまで、その存在を明かしたのでしょうか。
編集部が実施した『VIVANT』考察アンケートには、意外なところからその理由を読み解く説が寄せられました。
鍵となるのは、放送後に明かされた「太田の部屋のゴミ」です。

(画像:時事)
※以下、第17話までのネタバレを含みます。
■なぜ公安部長に“秘密の通路”を見せた?
太田の部屋と隣室をつなぐ秘密の通路は、第1シーズン第6話でも重要な役割を果たしました。
当時、乃木たちは隣室にハッキング用の機材を隠すことで、踏み込んできた公安の目をかわしています。
いわば、別班側にとっては簡単に人へ明かしたくない仕掛けのひとつです。
ところが第17話では、公安部長の佐野が、この仕掛けの存在を知ることになります。
もちろん現在は公安と別班が協力関係にあるため、佐野に知られても問題ないと判断した可能性はあります。
それでも、「わざわざ秘密をひとつ明かす必要があったのか」という違和感は残ります。
玄関から普通に招き入れれば済むようにも思えるからです。
では、なぜそうしなかったのでしょうか。
■乃木は“お偉いさん”との緊張感が苦手?
ここで思い出したいのが、その前に描かれた乃木の様子です。
乃木は公安部長の佐野や、別班司令・櫻井里美(キムラ緑子さん)と顔を合わせる際の緊張感を苦手としているような様子を見せていました。
そんな佐野を、今度はブルーウォーカーの自宅へ案内することになります。
しかも、太田の部屋といえば、普段は決して「来客向け」とはいえない状態。
第17話でも、乃木が最初に訪れた際には、室内に大量のゴミ袋が積み上がっていました。
公安部長をそのまま迎え入れるには、さすがに少々気まずい状況です。
そこで佐野が来るまでに、太田は急いで部屋を片付けたと考えられます。
■公式スタッフが明かした「ゴミは廊下」
実際、乃木と佐野が訪れた場面では、それまで部屋を埋め尽くしていた大量のゴミ袋がきれいに消えていました。
この変化に視聴者からも反応が相次ぎましたが、放送後、演出を担当した宮崎陽平氏がXで理由を説明。
太田は乃木と佐野が来ると聞き、室内のゴミを「とりあえず廊下に逃した」と明かしています。
つまり、ゴミを処分したわけではありません。
部屋から廊下へ、一時的に移動させただけだったのです。
ここで今回の考察は、あることに気づきます。
■玄関から入ったら“廊下のゴミ”と鉢合わせ?
太田が大量のゴミ袋を廊下へ移動させたのであれば、当然ながら玄関から部屋へ入ろうとすると、そのゴミが目に入る可能性があります。
せっかく公安部長を迎えるために部屋をきれいにしたのに、
玄関を開ける。
大量のゴミ袋が積まれている。
その横を通って部屋へ入ってもらう――。
これでは、あまり片付けた意味がありません。
そこで使ったのが、隣室につながる“秘密の通路”だったのではないでしょうか。
玄関や廊下を通らず、隣の部屋から壁を抜けて太田の部屋へ入れば、佐野に大量のゴミを見られずに済みます。
つまり乃木たちは、
「秘密の通路を公安部長に見せたかった」
のではなく、
「廊下を公安部長に見せられなかった」
ため、仕方なく秘密の通路を使ったのではないか――という考察です。
■“秘密を守る”より“汚部屋を隠す”を優先した?
もしそうだとすれば、かなり『VIVANT』らしい細かな人物描写にも見えてきます。
乃木たちにとって秘密の通路は重要な仕掛け。
しかし現在は佐野と協力関係にあり、通路を知られるリスクは以前より低くなっています。
一方、佐野を玄関から迎えれば、廊下へ急いで押し出した大量のゴミを見られてしまう。
その二択なら、
「佐野には通路を見せてもいい」
と判断した可能性はありそうです。
世界規模の諜報戦が進む一方で、秘密の部屋をバラした理由が「部屋を片付けた結果、廊下がゴミだらけになったから」だったとしたら、少し笑える裏事情でもあります。
■本当は“ゴミを廊下へ出す場面”も撮影されていた?
そして、ここからもうひとつ想像が膨らみます。
演出の宮崎氏が放送後、わざわざ「ゴミは廊下へ逃した」と説明したということは、制作側では当然、
「佐野が来る」
↓
「この部屋では迎えられない」
↓
「急いでゴミを廊下へ移動させる」
という設定まで作られていたことになります。
では、この一連の流れは最初から“裏設定”としてだけ存在していたのでしょうか。
もしかすると実際の撮影では、太田がゴミを廊下へ運び出す場面や、廊下から佐野を入れられないため別ルートを選ぶような描写まで撮影されていたものの、放送時間などの都合でカットされた可能性も考えられます。
そのため「放送ではカットされたのではないか?」という考察が寄せられました。
もちろん、そうした未公開シーンが実際に撮影されたことが明らかになっているわけではありません。
ただ、映像には映らなかったところまで登場人物の行動が細かく設定されていると考えると、第17話の見え方も少し変わってきます。
■放送された場面の“前後”まで物語は続いている?
ドラマで視聴者が見ることができるのは、撮影された物語の一部分です。
今回も、画面上では「大量のゴミが突然消えた」ように見えました。
しかし制作側では、「佐野が来るから廊下へ移した」という、その間の行動まで想定されていました。
そして、その“画面には映っていない行動”を踏まえて考えると、なぜ佐野が秘密の通路を通ることになったのかまで説明できる可能性があります。
秘密の通路を公安部長に明かした理由は、何か重大な伏線ではなく、まさかの「廊下に積み上げたゴミ」だったのでしょうか。
『VIVANT』では、何気ない小道具や一瞬の描写にも意味を探したくなりますが、こうして“描かれなかった時間”まで想像してみるのも、この作品ならではの楽しみ方なのかもしれません。
編集部では、ドラマの今後の展開や伏線について、みなさんの考察を募集しています。
小さな違和感や気づき、思いついた説でも大歓迎です。
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※情報は掲載時点のものです
<調査・文・編集:COCONUTS編集部>
