TBS系日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」第2シーズンで、大きな衝撃を与えた劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)の登場。
死んだと思われていたリュウが生きていただけでなく、その顔は乃木憂助(堺雅人さん)と瓜二つ。TBS公式でも「乃木と瓜二つの男」と紹介されており、堺さんが乃木、F、リュウの3役を演じる展開となっています。
では、なぜ乃木とリュウはこれほど似ているのでしょうか。
編集部が実施した『VIVANT』考察アンケートには、物語の大前提そのものをひっくり返す大胆な説が寄せられました。
「乃木は、本当にノゴーン・ベキの息子なのでしょうか?」
第1シーズンを振り返ってみると、“乃木憂助の素性”について、改めて気になる場面がいくつもあります。

(画像:時事)
※以下、第17話までのネタバレを含みます。
■「そう簡単には辿り着けない」櫻井の言葉に違和感?
まず、この考察で注目したいのが、第1シーズン第5話で描かれた乃木と別班司令・櫻井里美(キムラ緑子さん)の会話です。
公安の野崎守(阿部寛さん)に自分の正体を感づかれていると乃木が報告した際、櫻井はこう返しています。
「そう簡単にはたどり着けないでしょ。あなたの素性には」
乃木の素性には簡単には到達できない――。
別班の司令官である櫻井が、かなりの自信を持っているようにも聞こえる言葉です。
ところが、その後の野崎は驚くほど乃木の過去へ迫っていきます。
■野崎は意外と早く「乃木憂助」に辿り着いている
野崎は乃木の経歴を調べ、アメリカの高校に在籍記録がないことを発見。
そこから「丹後隼人」という名前を突き止め、さらにバルカで人身売買された過去、日本の児童養護施設で育ったことなどを明らかにしていきます。
そして乃木家へとたどり着き、現在の乃木憂助につながる過去をほぼ解明しました。
ここで今回の考察は、ひとつの疑問を投げかけます。
櫻井が「そう簡単には辿り着けない」と言うほど隠されているはずの素性なのに、野崎は第5話の段階でかなりのところまで辿り着いています。
もちろん、これは野崎の捜査能力が極めて高かったことを示す描写とも考えられます。
しかし、もし別の意味があるとしたら――。
「野崎が突き止めた“乃木憂助の素性”そのものが、本当の素性ではなかった」
という可能性も浮かび上がります。
つまり野崎は真相に辿り着いたのではなく、誰かによって用意された“乃木憂助という経歴”を辿らされていたのではないか、というのです。
■昔の乃木の写真は本当に堺雅人演じる乃木?
さらに今回の考察で注目されたのが、野崎が乃木の過去を調べる中で確認した、若いころの乃木の写真です。
第5話では、児童養護施設などを辿ることで「丹後隼人」として生きていた青年の存在が浮上しました。
アンケートでは、この写真について、
「現在の乃木と、それほど似ているようには見えなかった」
という違和感が挙げられました。
もちろん、幼少期や青年期の写真と現在の人物を単純に比較することはできません。
しかし、劇中では写真や目元など、限られた情報をつなぎ合わせながら「この人物が乃木憂助である」という結論へ進んでいきます。
だとすれば、そもそも写真の人物と現在の乃木が同一人物であるという前提を、一度疑ってみてもいいのかもしれません。
■「99.999%」DNA鑑定にも描かれていない部分がある
とはいえ、「乃木はベキの息子」という最大の根拠があります。
第1シーズン第8話で行われたDNA鑑定です。
自分がベキの息子だと主張する乃木に対し、テント側はDNA鑑定を実施。
バトラカが結果を持ち帰り、ベキが封筒を開けると、そこには父子関係を示す「99.999%」という数字が記されていました。
これによって視聴者も、
「乃木=ベキの実の息子」
と認識することになります。
しかし今回の考察では、あえてこのDNA鑑定にも疑問を投げかけています。
■DNA鑑定は「結果の紙」しか確認していない?
劇中では、DNA鑑定のすべての工程が詳細に描かれたわけではありません。
結果を取りに行ったのはバトラカ。
そして数日後、バトラカが持ち帰った書類をベキが確認し、「99.999%」という結果が明らかになります。
つまり視聴者が決定的な証拠として目にしたのは、最終的には「DNA鑑定結果が書かれた紙」です。
誰がどこで検体を採取し、どの機関が鑑定し、結果がベキの手に届くまでどのような管理がなされていたのか。
その全工程が映像で細かく確認できるわけではありません。
もちろん通常なら、そこまで疑う必要はありません。
しかし『VIVANT』という作品であれば、この“描かれていない部分”に何か仕掛けがあった可能性まで考えたくなります。
■「99.999%」という結果自体が仕組まれていた?
アンケートでは、
「鑑定に関わった人物の中に乃木側の協力者がいたのではないか」
という大胆な説も寄せられました。
もし乃木が最初から「ベキの息子としてテントへ潜入する」という計画を立てていたのであれば、DNA鑑定を要求すること自体も計画の一部だった可能性があります。
鑑定機関に協力者を置いていた。
あるいは、鑑定結果がテントへ運ばれる途中で何らかの工作が行われた。
そこまでの仕掛けがあれば、「99.999%」という結果をベキに信じ込ませることも理論上は可能です。
もちろん、現時点ではそうした工作を示す具体的な描写はありません。
それでも、乃木自身が「DNA鑑定をしてください」と申し出たことを考えると、もし結果まで計算に入れていたとすれば、見え方は大きく変わります。
■本当のベキの息子は「リュウ」だった?
そして第2シーズンで登場したのが、乃木と瓜二つのリュウ・ミンシュエンです。
ここから今回の考察は、さらに大胆な仮説へ進みます。
「本当のベキの息子は、リュウなのではないか」
という説です。
もし乃木がどこかの時点でリュウの存在と、その出生の秘密を知ったとしたら。
リュウこそがベキの実の息子だと知り、その立場を利用するために“乃木憂助”という人物を作り上げた可能性も考えられます。
さらに極端に考えれば、リュウに似せて顔を変え、ベキの息子になりすましていた――という展開まで想像できます。
現時点では整形を示す描写などはなく、かなり大胆な仮説です。
しかし、現在の乃木とリュウが「瓜二つ」であること自体は、物語の中で明確に提示された新たな謎です。
なぜ2人は同じ顔なのか。
この答え次第では、第1シーズンで“確定した”と思われていた乃木の出生まで再び疑うことになるかもしれません。
■シンシー幹部が「孤児院」に反応した理由ともつながる?
ここでもうひとつ気になるのが、第2シーズン第14話です。
野崎がシンシーのハン・リンシン(宮下今日子さん)と会話する中で、テントが運営していた「孤児院」に触れた際、ハンが強い反応を示しました。
野崎自身も、その反応を見逃していません。
なぜ、シンシーの幹部が「孤児院」という言葉に反応したのでしょうか。
現在は、ジャミーンなど孤児院に関係する人物をシンシーが狙っているのではないかという見方もあります。
しかし今回の考察を重ねると、別の可能性も浮かびます。
もしリュウの出生や幼少期に、ベキやテントの孤児院が関係していたとしたら――。
ハンの「孤児院」への反応と、乃木そっくりのリュウがシンシー側にいることも、いずれ一本につながる可能性があります。
■「乃木憂助」という人物そのものが最大のフェイク?
櫻井が言った、
「そう簡単にはたどり着けないでしょ。あなたの素性には」
という言葉。
野崎が辿った「丹後隼人」から「乃木憂助」までの経歴。
現在の乃木との同一性を裏付ける過去の記録。
DNA鑑定で示された「99.999%」。
そして第2シーズンになって突然現れた、乃木と瓜二つのリュウ・ミンシュエン。
これまで視聴者は、乃木の謎が第1シーズンで次々と解き明かされたと思っていました。
しかし、もし野崎が辿った過去も、DNA鑑定も、すべて「乃木憂助という人物を成立させるために用意された情報」だったとしたら――。
櫻井の「そう簡単には辿り着けない」という言葉も、「野崎が知った程度では、本当の乃木の素性には辿り着いていない」という意味に変わってきます。
もちろん現時点では、乃木とベキが親子ではないことを示す決定的な証拠はありません。
むしろ第1シーズンでは、DNA鑑定をはじめ、2人が実の親子であることを前提とした物語が描かれてきました。
だからこそ、もしここが覆された場合、その衝撃はかなり大きなものになりそうです。
本当にベキの息子なのは、乃木なのか。
それとも、乃木と同じ顔を持つリュウなのか。
そして、櫻井が言った「あなたの素性」とは、一体どこまでの秘密を指していたのでしょうか。
第2シーズンで明らかになった“もう一人の堺雅人”によって、第1シーズンで答えが出たはずの「乃木憂助とは何者なのか」という最大の謎が、もう一度振り出しに戻ったのかもしれません。
編集部では、ドラマの今後の展開や伏線について、みなさんの考察を募集しています。
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※情報は掲載時点のものです
<調査・文・編集:COCONUTS編集部>
