堂本剛「これはネガティブな話をするわけじゃない」自身の病に触れつつ、ラジオで語った『間』の美しさ

投稿日:2024/02/13 10:52 更新日:

<記事提供:COCONUTS>

毎週土曜日の夜10時から放送されているラジオ番組『堂本剛とFashion&Music Book』。

2月10日の放送では、堂本剛さんが日本人特有だと感じている感性について語るとともに、自身の病気に触れながら感じた『間』に関する話を明かしました。

ジャニーズ事務所外観

(画像:時事)

■日本人は「間」を作るのが得意?

番組では、リスナーから「冬の音」に関するメッセージを募集したところ、雪が積もった後の翌日の「無音」に関するエピソードが多数寄せられます。

自身の音楽にも「無音」、つまり「間」を多用しているという堂本さんは「みなさんが無音が好きっていう風に言うのは、僕の感覚ではありますけど、日本の人に特有の感覚ではないかなと思ってます」と自論を切り出します。

「日本の人は、イラストでも音でもなんでもそうですけど、『間』を作るのが非常に得意な人たちな気がしています。そこに想いを込めるから『間』ができたりとか。イラスト描く時の空間、建築でも空間とかあるじゃないですか? あれも『間』だと思います。そのようなものを自然と受け継いでいるんですよね」と語った堂本さん。

「だから、例えば雪が『しんしん』と降る。この『しんしん』って音を言葉にするのって、相当な能力な気が、僕はするんですよ。あれを文字にせよって言われた時に、『しんしん』とか、雨の時の『しとしと』とかもそうですけど、それを文字にできるってすごいなってやっぱり思います」と語ります。

空気中の水蒸気が冷やされて氷になったものを指す「ダイヤモンドダスト」などの表現はあるにせよ、堂本さんは「雪が『しんしん』と降っているの『しんしん』っていうのを、一瞬で表現するのは、英語だと難しいんじゃないかなって思ったりしています」と話します。

「みなさんの中にある『好きなんです』っていう気持ちの奥底に、日本人の古き良きDNAが宿っている気がして、なんか良いなと思いました」と正直な気持ちを明かしました。

■故郷の夜空と雪が積もった翌朝の「無音」には類似点が!?

「無音」や「間」に関する堂本さんの話はまだまだ続き、「実際に僕は奈良で生まれて育っていますから、奈良の夜はほぼ無音です」と自身の故郷に言及しながら、“無の中にある音”について語り始めます。

「感覚としては、夜空を見上げると、星が鳴っている気がします」と切り出した後、「実際には、人間には聞こえない音で空は鳴っていて、その音が届いている音と届いていない音があるかとは思いますが、人間の聴感上届いてはいない」と話した堂本さん。

「本当にただの真っ暗の中に星空を頭上に持ってきて、佇んでいると、本当に星が鳴っているように感じるんですよね」と生まれ故郷での経験を言葉にして伝えると、「あの感じがすごく好きで」と明かします。

「それと似ているというか。『昨日は雪が積もっていなかったけど、朝起きたらめっちゃ雪積もってるやん』の、あのフワッとした、音はないねんけど音はあるというか」と、雪が積もった翌朝の「無音」と故郷の夜空の下に立つ感覚の類似点に言及すると、「これは本当に日本の人の特殊な能力だと思うんですよね」と発言。

「こういうことを大事にできる生活、環境っていうのが、いろんな人の毎日の中にあればいいのになって思うんです」と率直に発し、「やっぱりせかせかと急かされて、情報も早くて、そして飽きるのも早くて、これってどこに『間』があるんだろうって?」と「間」の重要性を語りました。

■堂本剛「耳を患って初めて感じたことは…」

堂本さんは番組を通して、「間」があることによって本来の自分を発見する手助けになるなどと、自分なりの視点でその重要性を口にしつつ、「なんか『冬の音』ってことでみんな無音って言ってたので、すごいなって思いました」と率直な感想を言葉にします。

続けて、「本当にね、これはネガティブな話をするわけじゃないねんけど」と前置きしつつ、「僕が耳を患った時に、無音って本当に無音なんですよ。聴こえないから。でも、やっぱり空間は鳴っているんですね」と自身の体験を告白。

「無音って本当に0なんで。でも、これが0.1、0.2、0.3くらいは鳴っているんですよ」と音の存在を確かめたという堂本さんは、「だから、(耳を)患って初めて感じたこととしては、人の体って本当にすごく良くできているということでした。こんな細かいところまでを感知しているんだなって。本当にすごいと思ったんですよ」と話します。

「人っていうのは空間の音を聞いているので、そうやって空間の音を聞けなくなってしまったような、まあ僕もそうだけど、世の中にはいろんな方がたくさんいて、いろんな人同士が寄り添い合える『空間』や『間』を僕たちが一緒に持てたらいいのになとは思いますね。いろんな人たちの何気ない時間だったとしても、その気持ちを聞くとね」と優しさで溢れた提案をした堂本さん。

「今日もいろいろとお話を聞かせていただいて、『間』っていうキーワードが出てきましたけど、これをアートワークに変換したいなと思いました」と、自身の作品への“ヒント”を得たことを明かしました。

ネット上では、「日本の擬音ってステキだよね」と堂本さんの話に共感する声や、一連の話の中で出てきた表現を指しての「星が鳴ってるってすごいな…詩的な感性」という声が目立ちました。

他にも、「『間』の話がとても良かった。その感性と捉え方がとても好き。せわしない毎日だけどその空間や時間は大切にしたいな」と堂本さんの言葉を正面から受け止めている方も多数見られています。

改めて堂本さんの感性の豊かさに驚かされると同時に、日本語の表現の多彩さにも気付かされる放送になっていたのではないでしょうか。

堂本さんの話の中にあった「間」を意識して冬の音を感じてみると、新たな発見があるかもしれませんね。

【番組情報】
堂本剛とFashion&Music Book
https://radiko.jp/share/?sid=BAYFM78&t=20240210220000

(文:横浜あゆむ/編:おとなカワイイwebマガジンCOCONUTS編集部)

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