2018年9月16日をもって芸能界を引退する安室奈美恵さんのスペシャル番組「namie amuro Final Space」(関東ローカル)が、日本テレビで毎週土曜日 22:54から放送中です。9月15日(土)放送テーマは「FAN」。また、翌日、日曜日20:54からはBS日テレでも放送されます。安室さんのライブにMCがないことはファンの間では有名で、今回の引退騒動で一般の方々へも認知されることになりました。
MC無しでもカリスマだった90年代を代表するロックバンドとは?
MCがなくても、しっかりとファンとの信頼関係を築きあげてきたのはライブパフォーマンスの完成度あってこそ。同じように、MCがないことで有名だったカリスマ的アーティストがいます。今回は2003年に解散した伝説のロックバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)」のMC伝説について迫ってみました。
「世界の終わり」はセカオワ派?TMGE派?
「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)」(以下、TMGE)は、1991年結成されたロックバンドで、ボーカルのチバユウスケさんのしゃがれた声とアベフトシさんのギターの格好良さが話題となり、90年代のロックシーンで最もカリスマ性のあったグループのひとつです。メジャーデビュー曲である「世界の終わり」は、今でもカルト的人気がある楽曲で、第3回リトルモア・ストリートノベル大賞を受賞し小説家デビューした宮崎誉子さんのデビュー作「世界の終わり」でも使われ、作中にもこの楽曲は登場します。「世界の終わり」と聞いて、セカオワではなくTMGEやこの小説を思い浮かべる人は90年代カルチャーの洗礼を受けていると言ってもいいかもしれません。TMGEはその後、ロックシーンで熱狂的な人気を誇り、音楽フェスに出演した際には観客のあまりの熱狂ぶりに演奏を一時中断せざる得ない状況が何度も起きたほど。
ミュージックステーションの即興生演奏でも話題に
一般層に認知されたのは、1998年8月から連続リリースしたシングル「G.W.D」「アウト・ブルーズ」「スモーキン・ビリー」が発売されたあたり。タレントさんでもファンが多くロンドンブーツ1号2号の田村淳さんもその一人で、番組のエンディングテーマに起用していました。また、ロシアの女性デュオアーティスト「t.A.T.u.」がミュージックステーションをボイコットした時に空いてしまった枠をTMGEが穴埋めしたことでも有名で、他の出演者は生演奏の対応が出来ないなか、もともと生演奏で歌っていたTMGEが即時に対応できたことからネットでは「かっこいい」と絶賛され祭り状態になったことは今でも語り草になっています。この騒動について後日、ボーカルのチバさんは「俺らいなかったら本当、ずっと(空いた時間はタモリさんの)イグアナだよ。」と冗談まじりに語っています。
伝説のMC「こんばんは。ザ・ミッシェル・ガン・エレファントさんたちです」
バンド活動の初期は、MCで長く喋ることもあったようですが、バンドの認知度が上がってきた頃にはMCはほぼ皆無になっていきます。「久しぶり」など短い挨拶こそあるものの、メンバーとのエピソードを語ったり曲への思い入れを語ったりすることはありません。そんななかファンの間で人気の高いMCが、1996年のライブの様子を収録したVHS「play maximum rockin' blues」で披露された「こんばんは、ザ…ザ・ミッシェルガン…エレファントさんたちです。」という自己紹介。自己紹介なのになぜか客観的な語り口調が当時から話題になり、ファンの間で何かと多用されることが多い伝説のMCとなっているようです。また、FUJI ROCKフェスティバル出演時に発した「俺たちが日本のザ・ミッシェル・ガン・エレファントだ!」は、当時人気の絶頂にいた彼らにぴったりのかっこいいMCとしてやはり名セリフのひとつとなっているようです。
いかがでしたか?今回は伝説のロックバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)」の伝説のMCについて迫ってみました。当時VHSで発売されていたライブビデオはDVDでも発売されているようです。また、チバユウスケさんが表紙の「SENSE」が発売中となっています。巻頭特集は『泣ける音とファッション』として、音楽とファッションに精通し、クリエイティブに活躍しているミュージシャンたちが、心を震わせた名曲とその思いを熱く語っているそうです。気になった方はチェックしてみてくださいね。
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安室奈美恵さんのスぺシャル番組「namie amuro Final Space」についてはインスタグラムに詳細があります。
(文:豊崎ジーン)