7月31日、広瀬すずさん主演のNHK連続テレビ小説「なつぞら」の第105話が放送。新作の長編漫画映画のキャラクターデザインに悪戦苦闘する奥原なつ(広瀬すず)の姿が話題を集めました。
「なつぞら」第105話あらすじ
坂場のプロポーズをあっさり受け入れたなっちゃん。プロポーズシーンのオフショットをどうぞ。#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #中川大志 pic.twitter.com/RPB4XfAgUZ
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) July 30, 2019
東洋動画の階段の踊り場で、「僕と結婚して下さい。結婚…してくれませんか? 僕の気持ちはずっと前から分かっていたでしょう」と坂場一久(中川大志)からプロポーズされた奥原なつ(広瀬すず)。
坂場からの突然のプロポーズになつは驚きますが「はい、分かりました。結婚します」とOKします。
坂場は、勇気を出したプロポーズになつが答えてくれたことを喜びます。しかし坂場は「映画が成功したらですよ」と、演出を任されることになった新作の長編漫画映画が成功したらという条件をつけます。映画の成功をプロポーズの条件にする坂場になつは「それ…いる?」と疑問を投げかけますが…。
実在の映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」をモデル
坂場が演出を担当して、なつもアニメーターとして参加することになった新作の長編映画「神をつかんだ少年クリフ」。
この作品の物語は「ある村の巨大な木に誰にも抜けない剣が突き刺さっていて、それをある日、1人の少年クリフが引き抜き、村人から英雄と見なされます。しかし、クリフの前に人類を滅ぼそうとする死神が現れて…」という内容。
坂場が演出に抜擢された「神をつかんだ少年クリフ」にはモデルとなる実在の作品があります。坂場のモデルである高畑勲さんの長編初監督作品「太陽の王子 ホルスの大冒険」です。
「映画が成功したら」結婚、どうなる?
また、高畑さんが監督に抜擢されたのは、「なつぞら」の下山克己(川島明)のモデルで、同作では作画監督を務めた大塚康生さんから「長編映画の作画監督をするにあたり、演出は高畑勲でなくてはならない」と会社への申し入れがあったからというのは有名な話。
実際に「なつぞら」でも、下山の推薦で坂場が「神をつかんだ少年クリフ」の演出に抜擢されるシーンが描かれています。
「太陽の王子 ホルスの大冒険」は、善と悪の狭間で揺れるヒロイン・ヒルダの複雑な心理描写が現在でこそ評価される名作。実は、公開当時は興行的に失敗した作品で、「映画が成功したら」と結婚に条件をつけた坂場となつがドラマではどのように運命をたどることになるのかが気になるところです。
なつがキャラクターデザインに悪戦苦闘
「神をつかんだ少年クリフ」にアニメーターとして参加することになったなつ。
しかし、ヒロイン・キアラのキャラクターデザインを描くも、坂場からは「キアラのキャラクターはこうじゃないんです!神の怒りと人間の愛に引き裂かれていくような登場人物なんです」と、なかなか彼が頭に描くキャラクターのイメージをつかめず悪戦苦闘。
このキアラのモデルは「太陽の王子 ホルスの大冒険」に登場するヒロイン・ヒルダ。
悪魔グルンワルドの妹・ヒルダは、兄の言うことを聞いて人々に不和を芽生えさせますが、ホルストに出会い彼に惹かれるようになります。その結果、ヒルダは善と悪の狭間で揺れることになります。
「太陽の王子 ホルスの大冒険」では、困り眉やアンニュイな表情でヒルダの複雑な感情を表現。また、美少女としてヒルダは登場しますが、瞳の表現にも工夫が凝らされています。
ドラマの「神をつかんだ少年クリフ」では、坂場の求めるものに応えられず、挫折しかけるなつに意外な人物が、助け舟を出します。どのように、ヒロイン・キアラが描かれるのが楽しみですね。
「太陽の王子 ホルスの大冒険」モデルだとネット「興行大失敗に」
ネットでは放送を見た人から「事実だからいいと思うんだけど、言っちゃうと『太陽の王子 ホルスの大冒険』は興行的に大失敗になるんだけど、そうするとイッキュウサンのプロポーズも、無しよ、になるんだろうか?」「朝ドラのなつぞら。ついに『太陽の王子 ホルスの大冒険』をモチーフにした作品が出てきたひゃっほい」「なつぞらのやつ、内容は若干バウアー違うが『太陽の王子 ホルスの大冒険』をモチーフにしてるくさいな」などの声が上がっています。
実際の「太陽の王子 ホルスの大冒険」でも、ヒロイン・ヒルダのキャラクターデザインがなかなか決まらず苦労したことが知られているようです。
最終的「太陽の王子 ホルスの大冒険」では有名・アニメーターが描いたデザインが採用され、評判を呼ぶのですが、ドラマではどのように描かれるのが非常に楽しみですね。
(文:かんだがわのぞみ)